米Intel Corp.のFellowでDirector Communications Technology LabのKrishnamurthy Soumyanath氏
米Intel Corp.のFellowでDirector Communications Technology LabのKrishnamurthy Soumyanath氏
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デジタル技術を使って無線を強化
デジタル技術を使って無線を強化
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 Intel Developer Forum Spring 2008の開催前日に行われたメディア向けのセッションの3番手で登場した米Intel Corp.のFellowでDirector Communications Technology LabのKrishnamurthy Soumyanath氏は,前の二人の登壇者が説明した「Carry Small,Live Large」のビジョンを受け,「僕はチップ・ガイだからチップにいかに落とし込むかに関心がある」と語った。

 Carry Smallを実現するには,「今までよりもフォーム・ファクタを気にしなければいけない。現在はマイクロプロセサとチップセットが別に存在し,それに無線ネットワークをサブボードとして加えるのが一般的だ。将来はこれらをすべて1チップ化し,さらにはSoC(Systen on Chip)として組み込めるようになるべき」(Soumyanath氏)。そのためには,三つの技術的なブレークスルーが必要だとした。(1)無線を含むアーキテクチャの確立,(2)CMOSプロセスによる無線技術の実装,(3)無線設計の根本からの見直し,である。32nm以降のプロセスで実現することを考えているという。

 複数の無線技術を統合するためのアーキテクチャとしては,デジタル技術を利用して無線を強化することを考えている。「アナログの無線レシーバを単純化し,高精度なA-D変換器とデジタル・シンセサイザを使うことで,効率よく多種多様な無線技術に対応できるようになる」(Soumyanath氏)。

 具体的な研究成果としては,まずIEEE 802.11nとWiMAXに対応したA-D変換器を試作した。動的に構成変更が可能なA-D変換器であるという。また複数の無線通信規格に対応した65nmCMOSプロセスで実装したパワーアンプも紹介した。CMOS技術を使った,電力効率の高いマルチバンド対応の無線トランシーバのプロトタイプもあるとした。

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