米国際貿易委員会（International Trade Commission：ITC）は，短波長の発光ダイオード（LED）やレーザ・ダイオードに関する特許侵害の疑いで，ソニーや松下電器産業ら30社を調査すると発表した（発表資料）。この調査は，米関税法337条に基づく調査で，Gertrude Neumark Rothschild氏が2008年2月20日に起こした訴えに基づくもの。Rothschild氏は，米国に輸入されている短波長LEDとレーザ・ダイオード，およびそれらを含む製品の一部が，Rothschild氏の保有する特許を侵害していると主張し，ITCにそれら製品の輸入禁止命令などを発行するよう求めている。ITCの調査対象となる製品は，携帯機器や計器パネル，広告用の看板，信号，HD DVDプレーヤーおよびBlu-ray Discプレーヤー，データ記憶装置などに使われている青色，紫色を含む短波長LEDとレーザ・ダイオードである。調査対象となる企業は以下の通り。
・Avago Technologies of Singapore
・台湾Bacol Optoelectonic Co. Ltd.
・マレーシアDominant Semiconductors Sdn. Bhd.
・台湾Everlight Electronics Co., Ltd.
・中国Exceed Perseverance Electronic Ind. Co., Ltd.
・中国Guangzhou Hongli Opto-Electronic Co., Ltd.
・台湾Harvatek Internaional Inc.
・日立製作所
・台湾Kingbright Electronic Co., Ltd.
・韓国LG Electronics Inc.
・台湾Lite-On Technology Corp.
・中国Lucky Light Electronics Co., Ltd.
・松下電器産業
・米Motorola, Inc.
・フィンランドNokia Corp.
・台湾Opto Tech Corp.
・パイオニア
・ローム
・韓国Samsung Group
・三洋電機
・韓国Seoul Semiconductor Co., Ltd.
・シャープ
・中国Shenzhen Unilight Electronic Co., Ltd.
・シナノケンシ
・ソニー
・Sony Ericsson Mobile Communications AB of Sweden
・スタンレー電気
・東芝
・米Vishay Intertechnology, Inc.
・台湾Yellow Stone Corp.
この調査は，ITCの行政法判事であるPaul J. Luckern氏が担当する。Luckern氏は，米関税法337条に対する違反があるかどうか最初の決定を下す。その後，委員会がLuckern氏の決定をチェックし，ITCが最終的な決定を下す。調査完了の目標期日は，調査開始から45日以内にITCが決める。ITCの救済措置は，発行から60日以内に米通商代表部に却下されない限り，最終決定となる。
