米iSuppli Corp.は,2007年の半導体メーカーの年間売上高ランキングを発表した(発表資料)。2007年の半導体市場全体の売上高は対前年比3.3%増の2689億500万米ドル。第4四半期に直前期比で11%売上高を減らしたメモリ分野が,2007年の半導体市場の成長の足を引っ張ったという。内訳を見ると,第4四半期のDRAMの売上高は,対直前期比19.1%の減少,NANDフラッシュ・メモリの売上高は同3.9%の減少となった。iSuppli社は第4四半期のDRAMの売上高を直前期比14.4%減,NANDフラッシュ・メモリの売上高を同0.9%の減少と予測していたが,第4四半期のメモリ市場の売上高は,同社の予測を下回った。メモリ分野以外の第4四半期の売上高は,対直前期比2.4%の増加だった。

メモリ・メーカーの明暗が分かれる

 2007年のメーカー別売上高を見ると,首位は前年に引き続き米Intel Corp.。売上高は対前年比7.8%増の339億9500万米ドルだった。

半導体メーカーの年間売上高ランキング
半導体メーカーの年間売上高ランキング (画像のクリックで拡大)

 その他のメーカーを見ると,メモリ・メーカーの明暗が分かれた。16位のドイツQimonda AGの売上高は,対前年比26.0%減の40億500万米ドルで,前年の12位から大きく後退した。2位の韓国Samsung Electronics Co. Ltd.は前年から順位を維持したものの,売上高は同0.8%減の196億9100万米ドルだった。台湾Nanya Technology Corp.も,同32.4%減と売上高を大きく減らしている。一方,6位の韓国Hynix Semiconductor Inc.は対前年比15.0%増の90億4700万米ドル,4位の東芝は同20.2%増の121億8600万米ドル,17位のエルピーダメモリは同8.8%増の38億3800万米ドルと売上高を伸ばした。東芝は2008年に3位の米Texas Instruments Inc.(TI社)を追い抜く可能性がある,とiSuppli社は予測する。

ドイツInfineon Technologies社やソニーが順位を伸ばす

 前年から順位を伸ばしたのは,ドイツInfineon Technologies AG。売上高が対前年比21.1%増の62億100万米ドルで,15位から9位に浮上した。増収の要因は,TI社のDSL(Digital Subscriber Line:デジタル加入者線)のCPE(Customer Premises Equipment:加入者側装置)事業を買収したことによって,無線ベースバンド・チップの売上高を自社の売上高に取り込んだことという(Tech-On!の関連記事)。Infineon Technologies社は2006年に,メモリ事業をQimonda社として分社化したため,2006年は15位に順位を落としていた。ソニーも,2006年の14位から8位に浮上した。2007年の売上高は対前年比55.5%増の79億7400万米ドル。この成長は,ソニー・コンピュータエンタテインメントの据置型ゲーム機「プレイステーション 3」向けのグラフィックス用チップによるという。