調査会社のガートナー ジャパンは,2007年通期の携帯電話機の国内販売台数が過去最高の5230万台に達したと発表した。2006年に比べると10.7%の増加。音楽再生機能やワンセグ放送視聴機能,内蔵カメラの高画素化などが買い換え需要を喚起したとみられる。ただし,第4四半期に限ると販売台数は前年実績を割り込んでおり,こうした機能による買い換え需要が収束に向かったとガートナーはみている。買い換え需要を促す新たな機能などが現れるのには時間がかかるため,2008年後半から2009年は市場が停滞すると同社は予測した。

 メーカー別の販売台数シェアでは,シャープが前年に続いて首位に立った。液晶テレビ「AQUOS」のブランド力を背景に前年比37.2%増の1270万台を販売し,シェアを前年の19.6%から24.3%まで拡大している。2位のパナソニック モバイルコミュニケーションズのシェアは12.4%となっており,シャープが約2倍のシェアを獲得したことになる。パナソニックの「P905i」は人気を集めながら,NTTドコモが調達数量を絞ったために第4四半期を通じて在庫切れの状態が続き,人気に見合う販売台数を達成できなかったという。

 3位には前年5位だった富士通が入った。高齢者層向けの「らくらくホン」シリーズや,大画面を横向きにして使える「F904i」が好調で,同社は前年の1.5倍以上の販売台数を達成した。4位の東芝はAV機能を訴求ポイントとして次々と新しい機種を投入することで,前年並みの販売を確保した。