大日本印刷とソニーケミカル&インフォメーションデバイス(SonyCID)は,SonyCIDの熱転写方式インク・リボンに関する事業を大日本印刷に承継するという意向確認書を締結した(発表資料)。今後両社は,関係各国の法令に準じた適切な承継方法や具体的な内容などについて検討する。大日本印刷は,SonyCIDの当該事業に関連する製造設備などを受け取る見通し。承継の手続きは2008年7月に完了する予定である。

 大日本印刷は,1980年代前半からファクシミリなどに利用される熱転写方式インク・リボンの製造・販売を開始し,1990年代初頭からバーコードへの展開を図っている。SonyCIDから事業を譲り受けることによって,大日本印刷は熱転写方式インク・リボン事業の拡大と競争力の強化を狙う。バーコード用インク・リボンの需要は,製品の履歴管理や製造現場における部品管理などの用途で,堅調に拡大しているという。

 一方,SonyCIDは当該事業に関連する資産の売却によって得た資金を,同社の成長事業である光学フィルム,電子部品分野に投入する考え。経営資源の再配置を行い,より迅速な事業拡大を図るとする。

 なお,SonyCIDの当該事業の拠点である米国ビッツバーグ事業所とオランダのアムステルダム事業所の従業員は,大日本印刷に移籍して継続雇用となる予定である。