CTOが発売する小型ノート・パソコン「CloudBook CE1200J」
CTOが発売する小型ノート・パソコン「CloudBook CE1200J」
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 実売で約5万円という低価格を武器に好調な販売を続ける,台湾ASUSTeK Computer社の小型ノート・パソコン「Eee PC」に,ライバルが登場する。

 台湾First International Computer社(FIC)の日本法人であるCTOは2008年3月22日,Eee PCと同様に7型のタッチ・パネル液晶を備える小型ノート「Everex CloudBook CE1200J」を日本で発売する。重さはEee PCの日本モデル「4G-X」より50g重い970g。最低価格は4G-Xより1万円高い5万9800円である(ハードウエア構成で価格は異なる)。OSは4G-Xと同じく,Windows XP Home Editionを搭載している。

 CloudBook CE1200JとEee PC 4G-Xの仕様上の主な違いは,ストレージ容量にある。4G-Xは4GバイトのSSDを内蔵しているのに対し,CE1200Jは30GバイトのHDDを搭載する。「アプリケーション・ソフトウエアなどの作業領域を十分に確保できる」,としている。
 プロセサの種類も異なる。4G-XがIntel社の「Celeron M 900MHz」を採用しているのに対して,CE1200Jは台湾 VIA Technologies社の「C7-M ULV 1.2GHz」を搭載している。

 米国では,FIC社子会社の米Everex社がCloudbookを2008年1月に販売開始している。ハードウエア仕様は国内モデルと同じだが,OSはLinuxベースの「gOS」を採用。価格は399米ドルである。「1月だけで2万台を出荷した」(CTO代表取締役社長の蔡永桂氏)という。

 ASUSTeK社と同様,米国など海外向けモデルはLinux,日本向けモデルはWindows XPを採用している理由は,「日本の携帯電話機事情との兼ね合いにある」(蔡氏)という。つまり,日本ではパソコンを使わなくても携帯電話機からパソコン向けWebサイトを閲覧するという使い方がある程度普及しているため,Linuxを採用してインターネット端末として売り出したとしても,携帯電話機と差異化は難しいと判断したのである。

 「しばらくは小型のWindows搭載ノート・パソコンとして販売していく。しかし,WiMAXが高速無線インフラとして今後普及すれば,WiMAX対応のインターネット端末として新たな市場を創れるかもしれない」(同)とみている。