2008年2月に発売された新型携帯電話機を分解する記事の第2弾。今回は,KDDIの端末「W61CA」を取り上げる。前回報告したCyber-shotケータイ SO905iCS」と同様,カメラ機能を売り物の一つとする。W61CAは,有効画素数が515万とSO905iCSに見劣りしない撮像素子を備え,カシオ計算機のデジタル・カメラのブランド名「EXILIM」をうたった画像処理LSI「EXILIMエンジン for Mobile」を搭載するという。ただし,SO905iCSが備える光学ズーム機能はなく,内蔵メモリの容量も限られている。

 その代わりにW61CAは,ワンセグ放送受信機能などSO905iCSにない機能が盛り込まれている。中でも大きな特徴は,風呂場などで携帯電話機を利用できる防水機能である注1)。今回の分解調査でも,どのようにして防水性を実現したかを詳しく見た。その結果,明らかになったのは筐体の内部を密閉した状態に保つ念入りな構造だった。

注1)メーカーのカシオ計算機によれば,防水性能はIPX5とIPX7に対応するという。前者は「内径6.3mmのノズルを用いて、約3mの距離から約12.5リットル/分の水を3分以上注水する条件で、いかなる方向からの水の直接噴流がW61CAに当っても、W61CAが悪影響を受けないこと」,後者は「常温で水道水、かつ静水の水深1mの水槽に静かにW61CAを沈めた状態で約30分間、水底に放置しても本体内部に浸水せず、電話機としての性能を保」つこととしている。

 次ページ以降では,防水機構,基板,カメラ・モジュールの順にこの製品の内部構造を紹介する。なお,今回の調査も前回と同様,フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ(東京都江東区)の協力を得て実施した。

防水機構(本体下部,側面,ヒンジ部) 防水機構(側面) 防水機構(ヒンジ部) 基板(キーパッド側) 基板(カメラ側) 光学系

本体以外の写真をクリックすると,それぞれの部分の説明ページに移動します。本記事の写真は,すべてフォーマルハウト・テクノ・ソリューションズが撮影しました。

製品名 W61CA
メーカー カシオ計算機
外形寸法 約106×50×18.9mm (最厚部約22mm)
質量 約132g
連続待受時間 約320時間
連続通話時間 約220分
ディスプレイ 約2.7型(240×400画素)
メモリ・カード microSDメモリーカード
カメラ 有効画素数515万
電池 3.7V,750mAh

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