BCNは2008年3月12日,大手家電/パソコン販売店のPOSデータを集計した「BCNランキング」から見た2008年春商戦の家電市場の動向を発表した。薄型テレビは,40~50型の2月実績が台数ベースで前年比151.6%と大きく伸びた。次世代DVDレコーダーは年末から年初にかけての品薄がようやく解消し,金額ベースでDVDレコーダー全体の36.8%まで構成比率を上げた(Tech-On!の関連記事)。

 薄型テレビは,2月の台数ベースの前年比が129.2%(液晶テレビ130.2%,PDPテレビ120.4%)と好調だ。ただし,金額ベースでは,液晶テレビが前年比10%程度の成長なのに対し,PDPテレビは前年割れと明暗を分けた。平均単価は,PDPテレビの下落傾向は変わらないが,2007年を通して平均単価が安定していた液晶テレビもここにきて大きく平均単価が下がっているという。

 画面サイズ別では,40型以上の大画面製品が伸びている。40型以上は2月時点の金額構成比が35%を超え,主力である30~40型に次ぐ市場に育ってきた。液晶テレビは40~50型も好調だが,それ以上に50型以上が台数ベースで前年比168.1%と急速に伸びている。一方,PDPテレビは40~50型が台数ベースで前年比166.6%と高い伸びを示しているのに対し,50型以上は液晶テレビにシェアを奪われ伸び悩んでいる。

 メーカー別台数シェアでは,40型以上で争いが激化している。このカテゴリでは,首位のシャープとソニー,松下電器産業の差があまりなく,3強を形成している。ただ,大画面製品に対する注力の度合いはメーカーによって異なる。シャープは40型以上の台数構成比が27.2%で,さまざまなサイズの製品をまんべんなくそろえる方針。これに対し,松下電器産業は40型以上が49.0%,ソニーは40型以上が55.8%と,大画面製品を重視している。

 DVDレコーダーは,松下とシャープが2強を形成し,これをソニーが追い上げる形だ。ただし,Blu-ray Disc(BD)ドライブを搭載する次世代DVDレコーダーでは,ソニーが台数,金額共に50%以上のシェアを取り,独走態勢を築いている。デジタル一眼レフ・カメラは,3月に強力な新製品が相次いで発売されるため,2月は買い控えが起こっているという。パソコンは,2007年春商戦がWindows Vista発売により好調だったため,前年比で大きく落ち込む結果になった。