米DisplaySearch社は,2007年第4 四半期および通期の有機ELパネル市場の調査結果を発表した(発表資料)。2007年第4四半期は,ソニーが有機ELテレビ「XEL-1」を発売して話題をさらったものの(Tech-On!の関連記事),大きな伸びを見せたのはアクティブ・マトリクス型パネルの本格生産に入った韓国Samsung SDI Co.,Ltd.だったという。

 2007年第4四半期の有機ELパネルの総出荷枚数は対前年比9%減の2018万6800枚。売上高は同13%増の1億5880万米ドルだった。

 メーカー別売上高を見ると,首位はSamsung SDI社。対前年同期比205%増の7940万米ドルを売り上げた。シェアは50.0%で,2位の台湾RiTdisplay Corp.の2倍以上である。RiTdisplay社の売上高は同15%増の3030万米ドルだった。ただし,RiTdisplay社は出荷枚数で首位を維持している。RiTdisplay社の第4四半期の出荷枚数は660万枚で,Samsung SDI社は490万枚だった。パイオニアは売上高,出荷枚数ともに3位。売上高は同11%増の2370万米ドルだった。ソニーは2007年12月に,XEL-1向けの11型パネルを2000枚出荷したが,2008年第1四半期には6000枚を出荷するとみる。

2007年第4四半期のメーカー別売上高とシェア
2007年第4四半期のメーカー別売上高とシェア (画像のクリックで拡大)

 売上高全体に対して,アクティブ・マトリクス型パネルの占める割合が拡大している。2007年第3四半期には9.7%だったが,第4四半期に41%まで上昇した。DisplaySearch社は,この比率が2008年第1四半期に55.6%まで上昇するとみる。韓国LG Display Co., Ltdがアクティブ・マトリクス型パネル市場に参入することに加え,ソニーや台湾Chi Mei EL Corp.,Samsung SDI社が,引き続きアクティブ・マトリクス型の生産を増やすことが要因という。アクティブ・マトリクス型パネルは,フィンランドNokia Corp.や韓国Samsung Electronics Co., Ltd.,韓国LG Electronics Inc.,英Sony Ericsson Mobile Communications ABなどが2007年第4四半期に発表した製品に搭載されており,小型/中型のパネル市場で順調に生産を伸ばしている。
 
 2007年通期の有機ELパネルの出荷枚数は対前年比8%増の7470万枚。売上高は同6%増の4億9390万米ドルだった。

2007年通期のメーカー別売上高とシェア
2007年通期のメーカー別売上高とシェア (画像のクリックで拡大)

 2008年第1四半期は,売上高が2億410万米ドルで過去最高に達する見通し。アクティブ・マトリクス型パネルの出荷枚数は310万台になると予測する。

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