米Micron Technology, Inc.は2008年3月4日,CMOSセンサ事業を分社化すると発表した(発表資料)。新たに設立する会社の名前は「Aptina Imaging」。Micron Technology社は,今回の分社化によって,Aptina Imaging社が製造の柔軟性やコスト対応力を高められるとしている。Aptina Imaging社は,Micron Technology社がこれまで行った研究開発への投資成果や,Micron Technology社がメモリとCMOSセンサの両方を製造することによって培った技術を引き続き利用できるという。

 Micron Technology社のChairman兼Chief Executive OfficerであるSteve Appleton氏は,「当社は革新的でコスト効率の良いメモリを供給することに注力してきた。Aptina Imaging社の分社化は,我々のイメージ・センサ事業が市場の中で勝ち残るための最良の道を探り,かつ世界中の顧客との関係を強化するための方策だ」と話した。

 加えて,Aptina Imaging社は同社が開発中の新たなCMOSセンサ技術について発表した(発表資料)。大きく三つある。

 第1に画素ピッチの縮小技術である。Aptina Imaging社は,画素ピッチが1.4μmのCMOSセンサの動作サンプル品を製造したという。95nm世代のCu配線プロセスで製造することで,チップ寸法の小型化などを実現できるため,より小型のカメラへの搭載が可能になる。同社は,1.4μmの画素ピッチの製品のサンプル出荷を2008年夏に開始する予定。

 第2に画素ピッチが1.75μmで900万画素のCMOSセンサ技術である。センサの感度を向上させた。画素数が最大の場合でも,最大15フレーム/秒の画像を撮影することができる。さらに,720pのHDTV映像を30フレーム/秒で撮影できる。

 第3に,ウエハー・レベル技術に基づく携帯電話機向けカメラ・モジュールである。CMOSセンサや光学部,画像処理部を一つのパッケージに収める。従来に比べてモジュールの寸法を50%以上小型化できるという。