日経エレクトロニクス分解班は,携帯電話機の分解調査を手掛けるフォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ(東京都江東区)に依頼して,最新の携帯電話機2機種を分解した。いずれもカメラ機能を売り物にする製品である。今回は,そのうちNTTドコモが2月中旬に発売した「Cyber-shotケータイ SO905iCS」を取り上げる。開発したのは,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ。ソニーのデジタル・カメラのブランド名「Cyber-shot」を冠した機種で,光学3倍ズームや笑顔検出といった機能を備える。次回に取り上げるのはKDDIの端末「W61CA」。メーカーはカシオ計算機である。こちらは「EXILIM エンジン for Mobile」搭載とうたっている。

 SO905iCSは,他の端末がワンセグ受信機能を搭載しつつある中であえてその機能を外し,デジタル・カメラの機能に注力した機種といえそうだ。分解の結果,通常と比べて非常に大きいカメラ・モジュールを内蔵していることが明らかになった。カメラ・モジュールの体積が本体の8%弱を占める。今回同時に調べたW61CAでは,カメラ・モジュールが体積に占める割合は0.1%未満にすぎなかった。

 次ページ以降で,カメラ・モジュール,光学系,基板のカメラ側とキーパッド側の特徴を順次紹介する。

基板(キーパッド側) 基板(カメラ側) カメラ・モジュール 光学系

カメラ・モジュール,光学系,基板の写真をクリックすると,それぞれの説明ページに移動します。本記事の写真は,すべてフォーマルハウト・テクノ・ソリューションズが撮影しました。

製品名 Cyber-shotケータイ SO905iCS
メーカー ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ
外形寸法 113mm×50mm×24mm(スライドを閉じた状態)
質量 約145g
連続待受時間 約520時間(静止時)
連続通話時間 約220分(音声),約120分(テレビ電話)
ディスプレイ 約2.7型(横480画素×縦864画素)
メモリ・カード microSDメモリーカード
カメラ 有効画素数約510万(メイン),有効画素数約32万(サブ)
電池 3.7V,870mAh