基調講演で語るTim O'reilly氏
基調講演で語るTim O'reilly氏
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 「ハッカーたちの揺るぎない情熱と関心が,人類の技術を進めてきた。だからハッカーは,自分が正しいと思う信じた道を突き進むべきだ。ビジネスになるかどうかは,後から付いてくる」。米O'Reilly Media Inc.のFounder & CEOであるTim O'Reilly氏は,同社が主催する「O'Reilly Emerging Technology Conference(ETech)」の基調講演で高らかに宣言した。

 同氏はまず知識には「Received Knowledge」と「Personal Knowledge」があるとし,「Received Knowledgeは,例えばWikipediaを調べればいくらでも補充できる。今までにない新しい“エッジ”を作り出すには,Personal Knowledgeが大事だ」と語り,独創性の重要性を語った。

 続いてそれが重要なアイデアであれば,とことんそれを追求することが現実につながると語った。「例えばセサミストリートのクッキーモンスターに,どんなすばらしい商品を贈ると言っても,もし選択肢にクッキーがあればクッキーを選ぶ。同じように『I love this!』と言えることが大事だ」(O'Reilly氏)。

 O'Reilly氏が規定する“ハッカー”は,コンピュータ技術に限ったものではない。このためETechでは「Collective Intelligence」と呼ばれる次世代のヒューマン・インタフェースやオープンソース・ハードウエア,エネルギー関連など多岐にわたるテーマを取り上げているという。