松下電器,家電リサイクル廃棄物から金属を回収する技術を開発
松下電器産業と同社100%子会社の松下エコテクノロジーセンター(METEC)は2008年2月26日,家電をリサイクルする過程で排出される「混合プラスチックダスト」から金属を取り出す設備を開発し,報道陣に公開した。ダストに含まれる有機物は,酸化チタンを熱触媒として分解し,無害ガス化する。新開発の設備は,家電リサイクルを手がけるMETECで稼働中(図1)。酸化チタンを熱触媒にした同工法を家電リサイクル工程に導入している例はほかにないという。
METECでは,家電リサイクル法の対象である使用済みのテレビ,洗濯機,冷蔵庫,エアコンの4品目を分解し,単一金属や単一プラスチックなどを資源として回収している。重量でその約8割は資源回収できるが,残りの約2割は焼却や埋め立てで廃棄処分せざるを得なかった。この廃棄物の大半は,ゴムやウレタンなどのプラスチックの破片に金属片が交ざった混合プラスチックダスト(図2)。新開発の設備は,この混合プラスチックダストからさらに金属を取り出す。
設備の構成は図3の通り。酸化・分解層の中には,酸化チタン(TiO2)を含む砂が200kg入っている。混合プラスチックダストが,投入ホッパから酸化・分解層の中へ入れられ,スクリュで酸化チタンを含む砂と一緒にかき混ぜられる。ダスト内のプラスチックは約500℃に熱されたTiO2と反応し,水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に分解され,排気ガス処理部を通って外へ排出される。その一方で,反応しない金属が酸化・分解層の中に残る。これをメンテナンス時に回収する。
触媒反応が起こる温度は約500℃で,稼働直後のみ外部からの加熱が必要。その後はプラスチックを連続的に投入すれば反応熱が起こるため,外部から加熱する必要はない。余分な熱は冷却水で取り除く。焼却による分解に比べて処理時に必要なエネルギが少なくて済み,CO2の排出量を約1/4に削減できる(4tの処理で比較した場合,分解によって出るCO2は含まない)。
また,これまで処理しづらかった廃棄物の中には,テレビのCRTの消磁コイルなど塩化ビニルに覆われた金属線(樹脂被膜金属)があった。塩化ビニルは,800℃以上の高温で焼却しないとダイオキシンが出るからだ。同設備はこれも処理できる。樹脂皮膜金属を鉄製のボール治具の中に入れ,供給口から酸化・分解層の中に投入(図4)。3分間の反応で金属のみを取り出せる(図5)。
熱触媒による分解技術は草津電機(滋賀県草津市)の協力を得て実現した。
今後の課題は,設備の処理能力をどう上げるかにある。METECで排出される混合プラスチックダストは月数百tに上るが,同設備で処理できるのは月4〜5t(平日のみ8時間稼働)。「今後は処理能力を上げ,将来的にはMETECから出る廃棄物の総量に対応できるようにしたい」(METEC開発部部長の冨田和之氏)。設備の社外への販売も視野に入れている。


















