日本SGI,GPUでHPCを実現するNVIDIAのTeslaを採用した製品を発売《動画あり》
日本SGIは,グラフィックス向けコンピュータ「Asterism」に,米NVIDIA社の「NVIDIA Tesla」シリーズを搭載したモデルを追加した。Teslaは,グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)を画像処理以外の汎用計算に利用する「GPUコンピューティング」と呼ぶ用途の製品で,カード型の「Tesla C870」,外付け形の「同 D870」,ラックマウント型の「S870」の3タイプがある(関連記事)。これまでTesla製品群は,NVIDIA社が単体で販売するだけだった。Asterismの新モデルでは,デスクトップ形の「Asterism Deskside ADT08」にC870もしくはD870を,ラックマウント形の「同 Power AQ232」にS870を搭載する。「国内では初のGPUコンピューティング向けのコンピュータ」(日本SGI)だという。価格は最小構成で110万円程度からとなり,2008年3月より出荷を開始する。
GPUコンピューティングは,GPUの持つ並列演算性能を生かして大量の浮動小数点演算を処理する技術。High Performance Computing(HPC)用のコンピュータを低価格で実現でき,科学技術計算や金融分野などでの利用が期待されている。Teslaは1GPUあたり128個のプロセス・コアを内蔵しており,518GFLOPSの理論性能値を持つ。ただし,既存の汎用ソフトウエアはそのまま使えず,プログラムを書き直すか新たに開発する必要がある。NVIDIA社は,C言語でGPUコンピューティング用のプログラムを記述できるソフトウエア開発環境「CUDA」を提供しているが,GPUの性能を引き出すには並列処理のプログラミング知識が求められる。日本SGIはTeslaを搭載したコンピュータをサポート付きで販売することで,プログラム開発の支援やコンサルティングに対応しGPUコンピューティングの市場拡大を図るとともに,同社が得意とする解析結果などの可視化技術を強みとして生かす考えだ。
同一プログラムをGPUコンピューティングを適用した場合(左)と,CPUのみで処理した場合との比較 CPUのみの場合は動きがカクカクしているが,GPUを使った場合はスムーズに動いている(約21秒の動画)
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ベクトルスパコンより3.5桁安い
新モデルの発表に合わせて,日本SGIは,「日本SGI HPC Open Forum」の下にGPUコンピューティングの推進に向けた「GPU Computing分科会」を発足させた。参加ベンダーが情報を提供し,GPUコンピューティング環境構築の支援,ユーザーの課題や解決策などの情報を共有して利用を促す。合わせて性能やコストパフォーマンスなども評価していく。同社のほかに幹事企業としてNVIDIA Japan,エルザ ジャパン(本社東京),プロメテック・ソフトウェア(本社東京)が参加し,慶應義塾大学教授の中村維男氏が分科会長を務める。同社が開催した記者発表会に出席した中村氏は「プログラムにもよるが,GPUコンピューティングは大まかに言ってベクトル型スーパーコンピュータに比べて3.5桁ほど低いコストで同等性能を実現できる」として今後の発展に大きな期待を見せた。













