松下電器産業は,液晶テレビの電源回路に組み込んだ電解コンデンサから蒸気が発生する不具合があったとして,2004年1月~2005年10月に製造した20型液晶テレビ6機種,約6万台について,無償修理を行うと発表した(ニュース・リリース)。

 同社によると,修理対象となるテレビに実装した電解コンデンサの一部に,電解液の含水率が標準より高いものが混入していたという。含水率が高い電解コンデンサは経年劣化しやすくなる。劣化したコンデンサは,内圧が高まって蒸気が安全弁から放出し,働かなくなる。

 電解コンデンサが劣化して蒸気が吹き出ても,電源の保護回路が働くため,発煙・発火といった安全上の危険はないという。ただ,2007年1月から12月にかけて,消費者が蒸気の発生を「発煙」と認識して公的機関に連絡した案件が5件続いたことから,消費者の安心を考慮して無償修理に踏み切ったという。