NHKや米通信社のReuters社は,近いうちに東芝がHD DVD事業から撤退する方針との見込みを報じた。

 NHKは,東芝が「HD DVD事業から撤退することで最終調整に入った」と報道。青森県の工場で進めているHD DVD機器の出荷を停止し,新規製品の開発も取りやめるという。在庫品の店頭での販売は継続する。

 Reutersは,東芝が数週間のうちにHD DVD規格から撤退する見込みと報じた。

 東芝のHD DVD事業を担当する幹部は「東芝として決定した事実はない」としつつ,「我々(事業部の)現場にも届いていない話。取引先からも問い合わせが来ており,正直困惑している」とコメントした。

 米国におけるBlu-ray DiscとHD DVDの次世代DVD争いは,2008年1月に米Warner Bros社がBlu-ray Discの支持に転じたことで,これまでの均衡が大きく崩れた(Tech-On!関連記事)。その後,東芝はHD DVDプレーヤーの値下げで対抗したが(Tech-On!関連記事),2月に入ってから米小売店のBest BuyやDVDレンタル会社のNetflixがBlu-ray Discの支持を相次ぎ表明(Tech-On!関連記事)。さらに米小売店のWal-Mart社が2008年2月15日,約4000の店舗で2008年6月までにHD DVD機器を店頭から撤去すると発表した。