Head of Portfolio MarketingのJames Marshall氏。手にしているのはWalkmanケータイ最新機種の「W980」である。
Head of Portfolio MarketingのJames Marshall氏。手にしているのはWalkmanケータイ最新機種の「W980」である。
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XPERIA X1
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 英Sony Ericsson Mobile Communications社は,同社にとって初となるWindows Mobile搭載のスマートフォン「XPERIA X1」をMobile World Congressで発表した(Tech-On!の関連記事)。米Apple社の「iPhone」のようなタッチ・パネル操作に加え,QWERTYキーボードやオプティカル・ジョイスティックによる入力も可能である(Tech-On!の関連記事)。今後,「XPERIA」ブランドの端末を,さらに拡充していくという。同社でワールドワイドのマーケティング戦略に関わる,Head of Portfolio MarketingのJames Marshall氏に,新ブランド立ち上げの意味などを聞いた。

――XPERIAブランドのコンセプトとは何か。

Marshall氏 当社には既に「Walkman」や「Cyber-shot」といったサブブランドが存在する。これらと同様に,XPERIAもブランドとして展開していく。これまでと少しレイヤが異なるが,その意味合いは「プレミアム」ブランドである。DVDクオリティの動画再生機能やweb閲覧機能などを,独自のユーザー・インタフェースで操作できるようにしている。キーワードは「コンバージェンス」だ。特に「XPERIA X1」は高級機であり,まさにプレミアムな端末と言える。

――XPERIA X1では,なぜWindows Mobileを採用したのか。

Marshall氏 誤解を受けやすいが,決して「XPERIAイコールWindows Mobile」ということではない。今後,XPERIAブランドで登場するほかの端末は,Windows Mobileを使わないかもしれないし,そこは決まっていない。X1では,Windowsで利用しているアプリケーションとの親和性なども考慮した。

――画面上に9個のミニ画面を表示させるなど,かなりの処理能力が必要だと考えられるが,どのようなプロセサを用いているのか。

Marshall氏 利用しているマイクロプロセサの名称などは明らかにできないが,確かに非常に高速の製品を用いている。駆動周波数は500MHz以上である。

――Sony Ericsson社に限らず,タッチ・パネル搭載の携帯電話機は随分と増えている。

Marshall氏 今,明らかに,携帯電話業界に「タッチスクリーン」というトレンドが起きている。今回のMWCでも,同機能を搭載した携帯電話機が多数登場していると聞く。私はこうしたミーティングへの対応などでほとんど展示会場を見ていないが,そのような状況は聞いている。

――タッチ・パネルの機種が増える中で,XPERIA X1ではどのように差異化しているのか。

Marshall氏 直感的なユーザー・インタフェースの出来具合で差が付く。XPERIA X1では,タッチスクリーンのほか,QWERTYキーボードやオプティカル・ジョイスティックなど,複数のナビゲーション機構がある。これら複数の手法があることが,よりユーザーの「直感的な」利用につなげられると考えている。

――日本での発売はいつ頃になるのか。

Marshall氏 我々は今のところ,「2008年後半から発売する」としか公表していない。特定の地域での販売予定も,明らかにしていない。はっきり言えるのは,この製品はグローバルなプロダクトであるということだ。ただし,日本は携帯電話事業者の影響力の大きい地域であることから,まだなんとも言えない。


(Mobile World Congress 2008に関するレポート記事を,日経エレクトロニクス3月10日号に掲載します)