図1 試作ボード
図1 試作ボード
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図2 メイン・メニューを表示した様子
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図3 インターネットに接続
図3 インターネットに接続
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図4 「Google Maps」に接続
図4 「Google Maps」に接続
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 NECエレクトロニクスは,米Google社のソフトウエア・プラットフォーム「Android」を利用した試作システムを,Mobile World Congress 2008(MWC)で実演した(図1)。同社のW-CDMA方式の第3世代携帯電話機向け製品「Medity2」を使った試作ボードで,Androidを利用したソフトウエアを動作させている。「試作システムが完成したのはわずか数日前だ。何とかこのMWCに間に合った」(説明員)という。試作ボードは,米Wind River Systems, Inc.と共同で開発した。

 試作ボードには操作部として,携帯電話機のキーパッドを模したボタンやタッチ・パネル機能を持つ液晶パネルがある。メニュー画面にあるアイコンを画面上から押せば,所望のアプリケーションを選択できる(図2,3)。例えば,地図表示機能を示すアイコンに触れれば,Google社の地図表示サービス「Google Maps」にアクセスできる(図4)。
 
 Medity2には,ベースバンド処理機能とアプリケーション・プロセサの機能を備えるシステムLSI「Medity M2」と,電源IC,RFICなどが含まれている(Tech-On!関連記事)。ただし今回の試作ボードにはRFICを搭載していない。そのため,インターネットへのアクセスは有線LANを利用する。「今回のMWCに間に合わせるため,動作デモを実現するのがやっとだった。今後はRF機能を盛り込んでいきたい」(説明員)と語った。このほか,消費電力の削減などにも取り組んでいくという。

 今回の実演では,カーネルに用いるLinuxと,Linux上で動作させるアプリケーション・ソフトウエアなどの開発を主にWind River Systems社が,試作ボードとデバイス・ドライバの開発を主にNECエレクトロニクスが担当した。

なおNECエレクトロニクスは,Google社が提唱する普及促進団体「Open Handset Alliance(OHA)」に参加していない。しかし,「Androidはオープン・プラットフォーム。我々でも利用可能」(説明員)としている。