Infineon社の,6層プリント基板にX-GOLD 213を搭載したモジュール「XMM2130」
Infineon社の,6層プリント基板にX-GOLD 213を搭載したモジュール「XMM2130」
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 ドイツInfineon Technologies AGとオランダNXP Semiconductors社は,GSM方式など第2世代(2G)の通信方式に対応し,携帯電話機の主要機能を1チップに統合したICをそれぞれ発表した。ULC(ultra low cost hand-set)と呼ばれる超低価格携帯電話機に向ける。従来,ULCの機能は音声通話とSMS程度であったのに対し,今回発表されたチップは音楽再生機能やSDカード・インタフェース,Bluetoothインタフェースなどを備えている。

 Infineon社は「X-GOLD 113」と「X-GOLD 213」の2品種を発表した(発表資料)。いずれも,動作周波数が208MHzのARM1176マイクロ・プロセサをコアとし,65nm世代のCMOS技術で製造する。パッケージは8mm角のWLB(ウエハー・レベルBGA)で,X-GOLD 113が206端子,X-GOLD 213が216端子。既にサンプル出荷を開始している。2009年の前半に大量生産に移行する予定。

 X-GOLD 113(PMB8800)は,GSM/GPRS方式での送受話機能や電源制御機能,QVGA(320×240画素)で26万色表示のディスプレイ・インタフェース,Liイオン/ポリマ2次電池の充電機能を備える。加えて,欧州のデータ放送規格「RDS」に対応するステレオFM放送受信機能や,MP3などのオーディオ・コーデック,ステレオ・ヘッドフォン出力,D級アンプ,SDカード・インタフェース,USB2.0インタフェースなどの機能を集積した。4層プリント基板にX-GOLD 113を搭載したモジュール「XMM1130」を用意する。

 X-GOLD 213(PMB8810)は,X-GOLD 113の機能に加えて,より高速なデータ通信が可能なEDGE方式での送受信機能や,最大3Mピクセルのカメラに対応するインタフェースなどを備える。6層プリント基板にX-GOLD 213を搭載したモジュール「XMM2130」は,提供されるソフトウエアと合わせて,インターネット上のWebページのブラウジングや電子メールの送受信を可能にする。

 NXP社が発表した「PNX4902」は,850MHz/900MHz,1800MHz,1900MHzの3バンドに対応する(発表資料)。ARM926EJ-Sマイクロ・プロセサをコアとする。GSM/GPRS方式での送受話機能や電源制御機能,オーディオ・コーデック,8Ωで500mWのスピーカー出力,スピーカーホン機能のためのノイズ抑制とエコー除去機能,SDカード・インタフェースなどを備える。FMチューナーやBluetoothインタフェースへの接続が可能だという。2008年の第1四半期にサンプル出荷を開始し,同年第4四半期に大量生産に移行する予定。