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 日立製作所は,2008年2月8日に開催した同社の薄型テレビ事業説明会で,超薄型テレビの製品ロードマップを示した。PDPテレビについては,2009年に厚さ35mm,2010~2012年に厚さ10mm以下の製品を投入する。

 液晶テレビでは,厚さ35mmの「Wooo UTシリーズ」を既に発売している(同テレビの分解記事はこちら))。これに対して2009年には厚さ19mm,2010~2012年には厚さ15mmの製品を投入する。

 実際の超薄型品の製品投入では,液晶テレビが先行したが,今回のロードマップは,将来的にはPDPテレビの方がより薄くできることを示したことになる。その理由については「PDPは自発光であるため,液晶に必要なバックライトがない。パネルと回路だけで済むため,より薄くできる。液晶では15mm前後が限界」(日立製作所)とした。

 薄型という点で最も可能性が高い有機ELについては,「2010~2012年には,テレビとして実用化できる可能性がある」(日立製作所)との見解を示した。

PDPの発光効率を2009年に2.3倍に

 日立製作所は,こうした超薄型化は環境という観点と結びつくと主張した。「超薄型化はレイアウト・フリーという新たな使い方を提案する意味もあるが,運搬や梱包が簡易になりエコにつながる。さらに,超薄型化の実現には,熱設計の観点から低消費電力化が必須であり,実はエコと直結している」(同社)。

 PDPの低消費電力化については,約1年半前から研究所の技術者40人を投入して発光効率を高めるプロジェクトを進めているという。現在,発光効率を現在の2.3倍にしたパネルの開発を進めており,2009~2010年には消費電力を現在の半分にしたテレビを発売するという。

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