図1 日立製作所は2007年度第3四半期の決算を発表した
図1 日立製作所は2007年度第3四半期の決算を発表した
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 日立製作所は2007年度第3四半期(10~12月)の決算を発表した。売上高は前年同期比9%増の2兆7071億円で,営業利益は同27%増の778億円と,増収増益であった。発電事業や自動車関連事業が好調に推移し,「電力・産業システム」部門の営業利益は前年同期比21%増の333億円であった。

 テレビ事業は不振が続く。テレビ事業が含まれる「デジタルメディア・民生機器」部門の営業利益は150億円と,前年同期と同様に赤字となった。原因は,「薄型テレビの販売価格の下落と,当初想定していたほど大型テレビの需要が伸びなかったこと」(日立製作所 執行役専務の中村豊明氏)という。

 中村氏は今後のテレビ事業の戦略として,「販売台数を追い求めていくことはしない」と述べ,「液晶テレビ,プラズマ・テレビともに,リビングで『壁掛け』ができるような超薄型テレビで勝負していきたい。2010年には厚さ10mmのテレビを出す」(同氏)という。

 HDD事業も依然として赤字が続く。2007年度第3四半期は68億円の赤字となった。ただし,前年同期における144億円の赤字から改善した。中村氏は「市場の需要に合わせてタイミング良く製品を出荷できるようになったことと,人員削減による固定費の削減効果が出た結果」という。

【訂正】記事掲載当初,「厚さ10cm」としておりましたが,「厚さ10mm」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。