米Motorola, Inc.が発表した携帯電話機事業の再編(Tech-On!の関連記事)について,調査会社の米Strategy Analytics,Inc.は,「他の携帯電話機メーカーがMotorola社を完全に買収する可能性は極めて低い」との予測を明らかにした(発表資料)。他の携帯電話機メーカーもMotorola社を買収するほど財政面で余裕がないためという。さらに,他メーカーとの合弁も実現は決定的でないとする。ただし,Strategy Analytics社は通信基盤を持つアジアのメーカーが,Motorola社の携帯電話機事業を獲得しようとする可能性はあると分析する。

 Strategy Analytics社によれば,Motorola社の問題は研究開発のサイクルと商品のサイクルを合わせることができないことや,着実に事業を進めるよりも一発逆転を狙おうとする傾向があることという。Motorola社は製品の拡充を長い間怠っていたため,建て直しの応急処理手法は存在しないとする。また,ZTE Corp.やHuawei Technologies Co.,Ltd.といった中国メーカーがMotorola社の獲得に強い関心を持っているという噂は,それらメーカーが台湾BenQ Corp.による独Siemens AGの携帯電話機事業買収の失敗をよく理解していない場合にのみ,実現可能性があるとする。

 Strategy Analytics社は,Motorola社の今回の発表を「同社の携帯電話機事業の不振が製品設計に深く起因していることを強調するもの」と説明する。Motorola社と提携しようとするメーカーは,Morolora社の中位機種,高位機種,および第3世代携帯電話機の品揃えの隙間を埋めることに優先順位を置くべきとした。