TDKは2008年1月31日,2007年度第3四半期(2007年10月~12月)の連結決算を発表した。前年同期比で増収増益。売上高は2253億4200万円と,前年同期比0.9%増となった。営業利益は同15.5%増の267億1700万円,純利益は同10.4%増の217億1300万円である。

 TDKは,事業を「電子素材部品」と「記録メディア製品」に大別する。電子素材部品全体の売上高は,前年同期比11.9%増となった。薄型テレビや携帯電話機,HDD,デジタル・カメラなどの生産が増加した上,多機能や高機能化が進み,機器当たりの搭載部品の点数が増えたためだ。さらに自動車の電装化が進み,電子素材部品全体の増収を支えた。

HDD用磁気ヘッドなどが牽引

 電子素材部品はさらに4部門に分かれる。コンデンサや磁性材料などの「電子材料」部門,インダクタや高周波部品の「電子デバイス」部門,HDD用磁気ヘッドを主力とする「記録デバイス」部門,上記3部門以外の電子部品を扱う「その他電子部品」部門である。2007年第3四半期は,このうち記録デバイス部門とその他電子部品部門が特に好調で,それぞれ売上高は前年同期比17.1%増の899億円,同36.8%増の同231億円でとなった。
 
 記録デバイスの売上高が増加したのは,パソコン向けHDDの生産量が増加したため。主に外付けHDDや,換装用HDDが増加したという。これにより,HDD用磁気ヘッドが増収となった。「その他電子部品」部門は,半導体製造装置向け部品や電波暗室関連の部品,電池事業などの増収が,売上高増加につながった。

 一方,記録メディア事業の売上高は,2007年8月1日に記録メディア製品の販売事業を米Imation Corp.に譲渡したため,前年同期比73.6%減の76億円となった(Tech-On!関連記事)。

 2007年度通期の連結業績見通しは従来と同じ。売上高は前年同期比0.3%増の8650億円,営業利益は同13.1%増の900億円,純利益は同2.7%増の720億円と見込む。「サブプライム問題や,世界的な株安が2007年第4四半期の業績にどう影響を及ぼすかわからない。しかし,この見通しを実現するため努力したい」(TDK)とする。