ソニー 執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏
ソニー 執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏
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 ソニーの2007年度第3四半期(10~12月)の連結決算を発表した(PDF形式の発表資料)。連結売上高は前年同期比9.6%増の2兆8590億円と過去最高を記録,営業利益は同5.8%増の1894億円と,増収増益となった。「エレクトロニクス分野やゲーム分野の売り上げが好調で,売上高は過去最高となった」(同社 執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏)。

 分野別に見ると,液晶テレビなどを手掛けるエレクトロニクス分野の売上高は前年同期比10.2%増の2兆694億円となり,四半期として過去最高を記録した。増収の要因として,液晶テレビ「BRAVIA」とパソコン「VAIO」の販売が全世界で増加したほか,デジタル・カメラ「サイバーショット」の海外販売が好調だったことを挙げた。営業利益は同7%減の1665億円となった。液晶テレビの価格下落や,ゲーム向けシステムLSIの売上の減少が影響したという。

 エレクトロニクス分野で減収となったのが,「2008年3月を目処に撤退する予定」(大根田氏)というリア・プロジェクション・テレビである。今後ソニーは,テレビ事業として液晶テレビと有機ELテレビに注力していくという。2007年12月に発売された有機ELテレビ「XEL-1」の現在の歩留まりについては,「企業秘密」(同社コーポレート エグゼクティブSVPの原 直史氏)としながらも,「技術者の努力により,歩留まりは日々上がっている」(同氏)と生産が順調であることを伺わせた。ただし,大型の有機ELテレビなど次の新製品の市場投入時期については,「開発を進めている段階であり,具体的な時期は何も決まっていない」(大根田氏)と語った。

 ゲーム分野の売上高は,前年同期比31.2%増の5812億円で,四半期として過去最高となった。前年度下半期に発売した「プレイステーション3(PS3)」のハードウエアやゲーム・ソフトウエアが売り上げ増に寄与したことに加え,2007年9月に発売された薄型,軽量の新型「プレイステーション・ポータブル(PSP)」のハードウエアの売り上げも増収につながった。売上台数はPS3が490万台,PSPが576万台。営業利益は,PS3のハードウエアのコストダウンを図ることで,前年同期の542億円の赤字から129億円の黒字に転じた。

 このほか,映画分野の売上高は前年同期比24.6%減の2238億円,営業利益は同49.7%減の132億円。金融分野の売上高は同21.4%減の1359億円となり,42億円の営業損失となった。

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