オムロンは,2007年度第3四半期(2007年4~12月)の決算を発表した(PDFの発表資料)。売上高は対前年同期比9.2%増の5577億9000万円,営業利益は同5.5%増の431億9300万円,純利益は同6.7%増の292億1400万円の増収増益となった。自動車向けのスイッチやリレーなどを手掛けるAEC部門と,電子部品を手掛けるECB部門が二ケタの増収を達成した。

 部門別に見ると,主力のIAB(インダストリアルオートメーションビジネス)部門の売上高は,対前年同期比9.3%増の2429億4800万円。営業利益は同7.0%増の376億7700万円だった。国内の売上高は前年同期と同水準だったものの,海外の売上高は前年同期から約16%伸びた。国内では,半導体および電子部品に関わる顧客の成長の減速や,フラットパネル・ディスプレイ市場の設備投資の減少などが影響した。海外では,欧州でプログラマブル・コントローラやモーション・コントローラ,画像センサ,北米で石油やガス関連事業向けの制御関連機器が好調に推移し,売上高を押し上げたという。

 AEC(オートモーティブエレクトロニックコンポーネンツビジネス)部門の売上高は,対前年同期比19.7%増の805億4300万円だった。営業損益は前年同期の赤字から回復して10億300万円の黒字を計上した。中国やインド,東欧などにおける自動車の生産拡大が追い風となった。中国では,顧客メーカーが中国に生産拠点を移したことによって,売り上げが大きく伸びた。北米では無線制御機器やパワー・ウィンドウ・スイッチなどが売り上げを伸ばしたという。

 ECB(エレクトロニクスコンポーネンツビジネス)部門は,売上高が対前年同期比16.4%増の1177億6400万円,営業利益が同1.2%減の97億5200万円だった。主力商品の基板用リレーなどは横ばいにとどまったが,携帯機器やIT向けの電子部品が伸びた。加えて,2006年8月に連結対象となった「オムロンプレシジョンテクノロジー」のバックライト事業の売上高や,2007年4月から操業を開始した「オムロンセミコンダクターズ」による売上高も増収に貢献した。

 オムロンは,2007年度通期(2007年4月~2008年3月)の業績予想を下方修正した。売上高を前回発表より100億円引き下げて7750億円に,営業利益を60億円引き下げて650億円に,純利益を40億円引き下げて420億円に変更した。修正の理由は,半導体や液晶パネルを手掛ける企業などの設備投資に向けた需要が下振れしたためとする。

 同社は同日,100%子会社であるオムロンセミコンダクターズを吸収合併すると発表した(発表資料)。2008年7月1日付けで,オムロンセミコンダクターズを吸収する。オムロンのアプリケーション技術や部品開発力と,オムロンセミコンダクターズのCMOS技術と組み合わせることによって,半導体事業の強化を図る。今回の吸収合併によって,半導体の生産拠点である水口工場や半導体事業部門の開発・販売・企画の機能の統合を進めるとする。