リコーの2007年10月~12月期決算は増収増益だった(発表資料)。売上高が前年同期比9.2%増の5520億3900万円,営業利益が同1.6%増の494億5200万円。主力のオフィス・ソリューション分野の売上高は,米IBM Corp.との合弁会社の業績が当期から本格的に寄与したこともあり,前年同期比で10%伸びた(Tech-On!関連記事)。

 ただし,利益率は悪化している。オフィス・ソリューション分野の営業利益率は前年同期の14.2%に対して13.2%に,全社の営業利益率も9.6%から9.0%へ低下した。米国事業で赤字を出したためという。リコーは米国で前年同期に35億円の営業利益を計上していたが,当期は1億円の営業損失を計上,他地域の増益を相殺した。

 米国事業の赤字は,米国経済の減速とリコー社内の事情の双方によるものという。リコーはIBM社の企業向け印刷システム事業を2007年に買収したが,この事業統合に「予想よりも手間取っている」(取締役専務執行役員の三浦善司氏)。さらに,米国地域におけるプリンター関連の主要ディーラーを競合他社に買収されたことなどが減益要因になったという。

 リコーは米国事業の不振を受けて,通期(2007年4月~2008年3月)の利益予想も下方修正した。2007年10月時点では1950億円を見込んでいた営業利益は1880億円(前年度比7.8%増)に,1170億円としていた純利益は1135億円(同1.6%増)に引き下げた。売上高は前回予想のまま2兆2500億円(同7.1%増)を見込むが,内訳には修正を加える。前回予想よりも海外の売り上げは低く見積もっており,それを国内が補うかたちで当初の予測値に届くとみる。

 米国事業の今後については「(企業内印刷/商用印刷事業に本格参入するという)方向性には間違いがない。2008年度は期待できる」(三浦氏)とした。リコーは企業内印刷/商用印刷事業で2010年度に全世界で2500億円の売り上げを目指す。