2007年通年のメーカー別シェア
2007年通年のメーカー別シェア
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 米IDC Corp.は,2007年第4四半期および2007年通期の携帯電話機の世界市場調査の結果を発表した(発表資料)。第4四半期の出荷台数は,対前年同期比11.6%増の3億3400万台で,過去最高を記録した。四半期ベースの出荷台数が3億台を上回ったのは初めてという。ただし,前年同期からの成長率は鈍化傾向だ。IDC社によれば,過去3年に渡って携帯電話機の第4四半期の出荷台数は,前年同期と比べて18~30%程度の割合で増加していた。

 一方,2007年通期の出荷台数は,対前年比12.4%増の11億4410万台。同社は,「2008年から数年間の携帯電話機市場は1ケタ成長が続く」とみる。

 2007年通年のメーカー別の出荷台数を見ると,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.が米Motorola, Inc.を抜いて,2位に浮上した。Samsung Electronics社の出荷台数は,対前年比41.7%増の1億6110万台。シェアは14.1%である。Samsung Electronics社は,過去2,3年の間,市場と同水準の成長を維持していたが,2007年は市場全体の前年比成長率12.4%のほぼ4倍の成長を遂げた。米国と欧州市場の買い替え需要によって,中位機種と高位機種が堅調に推移したことが出荷台数を押し上げた。2008年第1四半期の出荷台数は,4630万台を上回る見込みという。

 3位に後退したMotorola社は不調が続いている。2007年の出荷台数は,対前年比26.9%減の1億5900万台で,シェアは13.9%。IDC社は,Motorola社が第3世代携帯電話,中国,新興諸国といった急成長中の市場で失敗を続けており,現在の品揃えを改善する必要があると指摘する。「ROKR E8」や「Z10」,「W series」の発表によって,Motorola社は携帯電話事業のてこ入れを図っているが,業績の回復は2009年までかかるとIDCは予測する。

 前年に続いて首位を維持したのは,フィンランドNokia Corp.。出荷台数は対前年比25.8%増の4億3710万台。シェア38.2%。Nokia社は第4四半期に,2~4位のメーカー3社の合計出荷台数を上回る携帯電話機を出荷した。これは第4四半期の間,平均して1日当たり150万台の端末を生産した結果という。Nokia社が,部品不足に直面しなかったならば,出荷台数はさらに増加したとIDC社は分析する。