図1 NTTドコモ 代表取締役社長の中村維夫氏
図1 NTTドコモ 代表取締役社長の中村維夫氏
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 NTTドコモの2007年度第1~第3四半期(2007年4月~12月)連結決算は,売上高が前年同期比2.1%減の3兆5220億円,営業利益は同7.7%減の6250億円となった。税引後の純利益は6.7%減の3765億円である。他社に追従する形で割引サービスを相次ぎ導入したことが,今期の減収減益につながった。

 「正直,ここまで売れるとは思っていなかった――」(同社 代表取締役社長の中村維夫氏)

 前期比の決算成績こそ悪かったものの,2007年年末商戦に投入した「905iシリーズ」の売れ行きはNTTドコモの予測を大幅に上回り,純増シェアの回復に貢献したという。特にパナソニック モバイルコミュニケーションズの「P905i」は,極端な品薄状態が続いている。「需要を読み間違え,結果として発注量が少なかった」(同氏)。905iシリーズの販売台数は,2007年12月末までに160万台,2008年1月中旬までに200万台を突破したという。

今後はAndroid端末の開発に軸足を移す

 中村氏は記者会見において,905iシリーズについて「長い道のりを経て,3G端末が2G端末のレベルまで小型化,薄型化できた。3G端末の完成形だと思う」と手放しで評価した。と同時に中村氏は,3G端末の実装が完成に至ったのを機に「我々も端末の開発戦略の方向を切り替えないといけない」とコメント。「今後の端末は,まずグローバルな基盤(プラットフォーム)があって,そこにiモードを含めていろいろな機能が乗っかる形になる。基盤を海外に合わせる方向に変えていこうと思っている」(中村氏)。

 この中村氏の発言は,Google社が提供する携帯電話機向け開発基盤「Android」を採用した端末の開発を踏まえたものとみられる(Tech-On!関連記事)。「今後は,付加価値の焦点がiPhoneのような"使い勝手"に移る。国内メーカーも海外メーカーもiPhoneを追いかける形で開発を進めるだろう」(同氏)。

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図2 純増シェアはわずかに回復
図2 純増シェアはわずかに回復
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