図1 表示部の厚さが最薄34.4mmであるシャープの液晶テレビ「AQUOS Xシリーズ」
図1 表示部の厚さが最薄34.4mmであるシャープの液晶テレビ「AQUOS Xシリーズ」
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図2 壁掛けスタイルやデザイン性の高いスタンドなど,インテリアとしての設置を想定している
図2 壁掛けスタイルやデザイン性の高いスタンドなど,インテリアとしての設置を想定している
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 シャープは液晶テレビ「AQUOS」の新機種として,表示部の厚さが最薄34.4mmにした液晶テレビ「AQUOS Xシリーズ」を2008年3月1日に発売する(図1,広報発表文)。46型,42型,37型の3機種。表示画素数は1920×1080画素で,いわゆるフルHD表示に対応する。市場想定価格は,46型で48万円,42型で43万円,37型で35万円前後となる。「壁掛けなど,リビングのインテリアとなるようなスタイルを提案したい」(シャープ代表取締役副社長の松本雅史氏)ことから,一般的な薄型テレビを支えるためのスタンドを省略した。このため,ユーザーは壁掛け用の金具やスタンドなどを別途購入する必要がある。薄型をウリにしたテレビとしては,日立製作所が最薄部35mmの液晶テレビ「Wooo UTシリーズ」を発売中である(Tech-On!関連記事)。

 厚さ34.4mmを実現するために,液晶パネル・モジュールと電源基板などの回路部を同社従来品と比べて,約1/2に薄型化した。一般的に,液晶パネル・モジュールの厚さは主にバックライトの厚さで決まるが,単純にバックライトの薄型化をすると輝度ムラが発生しやすい。そこで,バックライトの輝度ムラを抑えるため,CCFL(冷陰極蛍光管)の本数を増やしたほか,拡散板などの光学シートを新規開発したとする。

 回路部の薄型化は,電源回路基板に低背部品を採用することや,チューナー部を表示部と分離することで実現した。表示部とチューナー部はHDMIケーブルで接続する。また,無線伝送システム「AN-AV500」を2008年3月に発売する。この製品を使うと,表示部とチューナー部の無線接続可能になる。同じ部屋内であれば最大約20mまで無線通信ができるという。無線伝送システムの市場想定価格は9万円前後という。

表示性能も向上

 液晶テレビとしての表示性能も大幅に向上したとする。入力映像信号の輝度ヒストグラムを解析して,シーンに応じてバックライトの輝度を制御することにより,映像表示時のコントラスト比で1万5000対1を実現する。バックライトを制御しない場合の暗所コントラスト比は2000対1。また,R(赤),G(緑),B(青)の3色それぞれについて12ビット相当の階調表現を実現する。そのほか,前後の画像フレームを基に補間フレームを作製・挿入することにより,毎秒60コマで送られてくる映像を120コマで描画する倍速表示にも対応する。