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三菱自動車、実証走行試験用の電気自動車「i MiEV」で航続距離を160kmに伸ばす

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2008/01/23 18:45
林 達彦=日経Automotive Technology
図1◎「i MiEV」の実証試験車
図1◎「i MiEV」の実証試験車
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 三菱自動車は2008年2月より各地の電力会社と実証走行試験を始める予定の電気自動車「i MiEV」を公開した。2007年1月に先行試験用に提供した車両の航続距離を伸ばしたもので、今後40台を電力会社5社に提供する。三菱自動車は2009年に電気自動車の量産を目指しており、実証走行試験では「ユーザーの立場から見た充電時間の妥当性」「電力会社が開発する急速充電器との適合性」などを確認する。

 実証走行試験用の車両での主な改良点は、新しいLiイオン2次電池を搭載したこと、モータや制御システムの改良で10・15モードの航続距離を従来の130kmから160kmに伸ばしたことの二つ。

 三菱自動車は2007年12月にGSユアサ、三菱商事の3社合弁で大型Liイオン2次電池の開発、製造および販売会社となるリチウムエナジージャパンを設立、2009年度に20万セル(電気自動車では2000台分)の電池を生産する予定。新車両は新会社の電池を初採用する。これまでは電池開発会社のリッセル製電池を採用していた。

 電池の性能は電圧330V、電力容量16kWhと従来から変わっていない。一つのセル電圧が3.3Vで電流容量50Ahのセルを4個ずつモジュール化して22モジュール搭載する点も同じ。ただし、従来の電池に比べて容量のばらつきが減っており、電池全体ではわずかに容量も増えている。また、これまでセルの容器は樹脂製であったが、今回は金属製としてより安全性を高めた。正極の電極にはMn系材料を使っている。

 電池モジュールは88個分を樹脂製のトレイに載せて、下側に4本のクロスメンバを持つ電池パックとして車体に取り付ける。この電池パックの構造もより強固にした。従来は、電池モジュールをアルミ製のケースに収めてケースごとボディに取り付けていたため、衝突時に電池モジュールに力がかかってしまう。これに対し、新型はクロスメンバが力を受けるため、電池モジュールの変形が少ない。

 航続距離を高めたのは、クーラやヒータを使った場合でも100km程度走れることを目標に置いていたから。今回は、モータ効率の向上、回生機能の強化、タイヤの転がり抵抗低減の三つによって航続距離を伸ばした。

 モータ構造は従来と同じIPM(Interior Permanent Magnet)式を採りながら、低回転領域の効率を改善。また回生量も従来以上に増やし、10・15モードでは摩擦ブレーキの使用頻度を減らした。さらに、タイヤの転がり抵抗を10%近く減らしたものを採用した。試験結果ではクーラ使用時に108km、ヒータ使用時に100km超の走行が可能なことが分かった。

 なお、量産化をにらんで部品の小型化・軽量化も図っている。例えば、モータは部品点数の削減によって10%小型化し、またkHzオーダーの騒音を低減するためモータハウジングにリブを設けた。これによって放射騒音は5dB(A)程度低くした。

 また、インバータは内部のすき間を詰めて、電子部品の実装を高密度にすることで、30%小型化、充電器も10%小さくした。モータ、インバータは明電舎製である。充電時間はAC100V・15Aで約14時間、AC200V・15Aで約7時間、急速充電で約30分(80%充電)。急速充電器の仕様は、富士重工業の電気自動車「R1e」とも共通に使えるように、充電前の通信プロトコルを共通化している。

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図2◎電池は床下に搭載
図2◎電池は床下に搭載
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図3◎セルのケースを金属製とし、電池パックは4本のクロスメンバでボディに取り付ける
図3◎セルのケースを金属製とし、電池パックは4本のクロスメンバでボディに取り付ける
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図4◎モータは明電舎製で出力47kW
図4◎モータは明電舎製で出力47kW
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図5◎リチウムエナジージャパン製Liイオン2次電池
図5◎リチウムエナジージャパン製Liイオン2次電池
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