中国の国営テレビ局であるChina Central Television(CCTV)は,次世代デジタル放送システム基盤の一つとして,持ち運び可能なリムーバブルHDD「iVDR」に対応した放送局用システムを採用した(発表資料)。今回採用された放送局用システムを開発した中国国際精華社らが明らかにしたもの。同社らによれば,放送局用機器にiVDR搭載機器が採用されたのは初めてという。

 CCTVは,2008年の北京オリンピックや2010年の上海万国博覧会の開催などを控え,次世代デジタル放送システムへの移行を進めているという。特に放送システムのテープレス化を検討していたことから,その取り組みの一環として,今回のiVDR対応放送局用カメラと編集機を採用を決めた。

 採用されたiVDR対応放送局用カメラは,国際精華社と日立国際電気が共同開発した「DDC-280M」。2つのiVDRスロットを搭載する。一方,編集機は国際精華社が独自に開発した「DDE-380」で,iVDRスロットを3つ搭載する。従来は3台のVTRおよびビデオ・スイッチ,音声ミキサーなどを必要とした編集システムを使っていたが,それを1台で代替できるという。ノンリニア編集専用機と同水準の編集機能も備える。iVDR媒体の製造や開発支援は,米Hitachi Global Storage Technologies, Inc.が行っている。

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