Browser。Firefoxと共通のレンダリング・エンジンを採用している
Browser。Firefoxと共通のレンダリング・エンジンを採用している
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ワープロ・ソフト「Write」。画像を挿入できる。
ワープロ・ソフト「Write」。画像を挿入できる。
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TurtleArt。タートル・グラフィクスをビジュアルに作成できる
TurtleArt。タートル・グラフィクスをビジュアルに作成できる
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eToys。プログラミングの学習のほか,「動く絵本」作りにも利用できる
eToys。プログラミングの学習のほか,「動く絵本」作りにも利用できる
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 XOに標準で付属するActivityは,結構充実している。もちろんビジネスパーソンが仕事で使う場面を想定していないので,Activityの顔ぶれは少々一般的ではない。以下,分野別に紹介していこう。

 まず目を引くのが通信関係のActivity。Activity一覧の左端に二つ,ChatとBrowserが並んでいる。吹き出しのアイコンがChatで,テキストだけでなくグラフィックスの描画なども送り合うことができるようだ。残念ながら現時点ではネットワークに接続しておらず,しかも1台しかないので,どのような動作をするかは不明である。BrowserはFirefoxのHTMLレンダリング・エンジン「Gecko」を使って実装したもの。ただしOLPCのサイトによると,Firefoxとは「かなり違う」という。米Google Inc.の「Google Docs & Spreadsheet」など,オフィス・ソフトをオンラインで提供するサービスが使えるのか,ネットワークに接続したら検証したいところだ。通信関係ではこれらのほかに,RSS配信を受け取る「NewsReader」も付属している。

 Browserのアイコンの隣には,文書を示すアイコンがある。「Write」と呼ぶワープロ・ソフトだ。「AbiWord」と呼ぶ,オープンソースのワープロ・ソフトをXO向けにしたものである。筆者は2000年ころにLinuxをデスクトップOSとして使う実験をしていて,そのころからできがよさそうで注目していたソフトの一つだ。それほど機能は高くないが,文字フォントの指定や画像の貼り付けなどは実施できる。ただ当時は日本語が使えなかったため,すぐにお蔵入りしてしまった記憶がある。

 Linux用のオフィス・ソフトといえば,オープンソースで提供されている「OpenOffice.org」が有名である。こちらではなくAbiWordを採用したのは,おそらく規模が小さい分Activityとして実装しやすいというメリットだろう。またOpenOffice.orgは決して軽いソフトではなく,実行にJava仮想マシンが必要になるなど,XOではリソース不足だった可能性もある。

 このほか,パソコンでよく見かける電卓(Calculator),ペイント・ソフト(Paint)も付属している。これらはWindows XPのアクセサリとして付属するものとほぼ似た感じだ。

教育用途を想定しプログラミング・ツールは充実

 XOを特徴付けている点として,プログラミング関連のツールが充実していることが挙げられる。
 まずわかりやすいのがタートル・グラフィックスを実践するための「TurtleArt」だ。タートル・グラフィックスは教育用プログラミング言語「LOGO」の主要な機能で,グラフィックス画面における場所を「亀」で表し,その動きでグラフィックスを描画するもの。繰り返し操作や変数などの概念を学ぶことができるようになっている。TurtleArtでは,これをタイル状のプログラム要素を並べることで実現できるようになっている。

 また「eToys」も,タイルを並べることによって,プログラムを作成できる。絵を描画しておいて,タイルを使ってそれに対する動作を指示するといったことができる。バックグラウンドで「Squeak」と呼ぶSmalltalk実行環境が動作しており,Smalltalk言語を用いた本格的なプログラミングも実施できる。

 プログラミング関連としては,もう一つ「Pippy」というのがあった。これはPythonプログラムを実行できる環境。XOではユーザー・インタフェース「Sugar」を実行するのに利用するなど,Pythonを活用している。

 子供向けということもあり,マルチメディアを利用したActivityもいくつか見られた。特に充実しているのが音楽系のソフトで,「TamTamJam」「TamTamEdit」「TamTamSynthLab」「TamTamMini」と4種類付属していた。また「Record」を使うと画像入力が可能になる。「Measure」はマイク端子を通じてアナログ・データを記録できるソフト。標準ではマイクからの音声を入力としている。

 これらのほか,知育ゲームとして「Memorize」,音声を使って2台のXO間の距離を測定する「Acoustic Tape Measure」,システム管理用ツールとして「Terminal」「Log Viewer」「Analyze Activity」があった。

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【追加情報】読者からActivityの内容に関する情報が寄せられ,「Measure」「Acoustic Tape Measure」の情報に追加をしました。