「iTunes Movie Rentals」を発表するSteve Jobs氏
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新型ソフトウエア搭載「Apple TV」から映画をレンタルする様子
新型ソフトウエア搭載「Apple TV」から映画をレンタルする様子
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Jobs氏がiPhoneのソフトウエア・アップグレードによる地図情報「Maps」アプリケーションの位置を把握する機能をデモする。青い丸の間中はユーザーの位置を表示する。
Jobs氏がiPhoneのソフトウエア・アップグレードによる地図情報「Maps」アプリケーションの位置を把握する機能をデモする。青い丸の間中はユーザーの位置を表示する。
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 「我々は今までに(iTunes Storeを通して)700万以上の映画を販売してきた。これは他社(のオンライン映画配信サービス)を全部合計した数字より多いが,我々は満足していない。iTunes経由で映画を配信するもっといい方法があると思う」。米Apple Inc.,CEOのSteve Jobs氏は米サンフランシスコで開催中のMacworld Conference & Expo 2008の基調講演で,「iTunes Movie Rentals」と呼ぶオンラインの映画レンタル・サービスを開始すると宣言した(発表資料)。米Twentieth Century Fox Film Corp.や米Paramount Pictures Corp.,米The Walt Disney Studios社などを含む,すべての米大手スタジオがコンテンツを供給する。2008年2月末までに1000以上の映画を提供する予定である。SDTV以外に720PのHDTV画質に対応したコンテンツも提供する。  価格は,最新リリースのHDTV映画の場合,24時間視聴可能で4.99米ドル。それがSDTVなら3.99米ドルになる。その他の映画はHDTVで3.99米ドル,SDTVで2.99米ドルとなる。映画のレンタルのため,iTunesソフトウエアの新しいバージョン7.6が不可欠となる。

 iTunesの映画レンタル・サービスは,iTunesソフトウエアを搭載したパソコンや動画対応のiPod製品群,iPhoneから楽しめる。これに加えてMacworldでは,Steve Jobs氏が「Apple TV」セットトップ・ボックスでもこのサービスを利用できると強調した。今までApple TVを利用する際にはパソコンも同時に動作させる必要があったが,2008年1月末までに提供するソフトウエアを導入すると,パソコンを経由しなくても直接Apple TVを操作してiTunes Movie Rentalsで映画をレンタルできる(発表資料)。さらに同社は,40GバイトHDDを搭載したApple TVの価格を従来の299米ドルから229米ドルに,160GバイトHDDモデルを従来の399米ドルから329米ドルに値下げすると発表した。

 iTunes関連の発表以外では,Jobs氏はiPhone向けのアップグレード版ソフトウエアの「バージョン1.1.3」を紹介した(発表資料)。2008年1月15日から無償提供を開始する。このソフトウエアを適用すると,iPhone上で米Google Inc.とApple社が共同開発した地図情報サービス「Maps」を利用できる。Mapsの新バージョンの特徴は,携帯電話通信や無線LANを使ってユーザーの位置を推定できる機能を付加したことである。  iPhoneと同時に,iPod touch向けのソフトウエア・アップグレードも登場した(発表資料)。iPhone向けの1.1.3と同様な機能を有するほか,今までiPhone向けに提供してきた電子メール「Mail」,地図情報「Maps」,株価情報「Stocks」,天気情報「Weather」などのアプリケーションが加わる。今後出荷されるiPod touchは,この最新版のソフトウエアを搭載する。既存のiPod touchユーザーは,ソフトウエアを更新するためには19.99米ドルを支払う必要がある。