東芝は,北米市場向けHD DVDプレーヤーの値下げを発表した。機種によっては半額という大幅な値下げになる。2008年1月13日から新価格を適用する。

 東芝は,米映画会社のWarner Bros社がBlu-ray Disc陣営に就いたことで,HD DVD普及戦略の見直しを迫られていた(Tech-On!関連記事)。今回の値下げは「Warnerショック」後の施策の第1弾となる。

 対象はいずれも,年末商戦向けに発売した最新モデル。1080/24pの映像出力やDeep Color出力に対応する上位機種の「HD-A35」は,希望小売価格を499.99米ドルから299.99米ドルに引き下げる。1080/24pの映像出力に対応する中位機種の「HD-A30」は,同じく399.99米ドルから199.99米ドルに,1080iの映像出力に対応する下位機種の「HD-A3」は,299.99米ドルから149.99米ドルにそれぞれ値下げする。

 2007年における次世代DVDプレーヤー(ゲーム機除く)の販売台数シェアは,東芝のHD DVDプレーヤーが50%を占めたという。2007年秋に旧モデルを100米ドル未満という戦略価格で販売したこと,2007年の年末商戦でも新モデルを期間限定で値下げしたことが奏功したとみられる。東芝はこの成果を踏まえ,価格を恒久的に下げることによる需要喚起に踏み切った。

 東芝は,こうした低価格化に加え,HD DVDプレーヤーのネットワーク接続機能を前面に押し出し,引き続きHD DVD規格の支持を映画会社にアピールする考えだ。同社は,HD DVDパッケージ・メディアの保有者の30%が,特典映像やトレーラーのダウンロードといったネットワーク機能にアクセスしていることを明らかにした。2008年以降は,DVD品質の動画のストリーミング配信サービスも手がける予定である。

 Blu-ray Disc規格にも同様のネットワーク接続サービス「BD-Live」があるが,対応するプレーヤーが登場するのは2008年春以降。これに対してHD DVDプレーヤーは,これまで販売した全機種がネットワーク機能に対応する。

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