米ABI Research社の予測によれば,家庭向けの据置型ゲーム機の「Bluetooth」搭載数は,2009年に1億1500万個に達する見込みという(発表資料)。ただし,搭載数は2009年のピークから減少し,2012年には2007年と同水準になるとみる。現在,ゲーム機に搭載されるPAN(personal area network)の多くは,Bluetoothを使っており,ソニーや任天堂,米Microsoft Corp.の大手ゲーム機メーカー3社のうち,Bluetoothと異なる技術を利用しているのはMicrosoft社のみと,ABI Research社は説明する。今後も中期的には,Bluetoothの採用が続くとみるものの,悲観的な要因も存在すると同社は分析する。

 ゲーム機市場は,製品ライフサイクルとして,通常3~4年程度で新機種が登場する。新機種の市場は急成長を遂げる一方,一世代前の機種の売上高は,その後数年で徐々に減少していく。ゲーム機市場では,この周期が繰り返し起こる。現在,ソニーおよび任天堂が,自社のゲーム機にBluetoothを採用しているということは,製品サイクルを考慮すると,少なくても今後数年間に渡って,Bluetooth技術が採用されることを意味するという。

 ゲーム機市場でのBluetoothの普及を牽引しているのは,メーカーによるサポートや高い利益率などという。加えて,Bluetoothの「Version 3.0」が策定されることによって,帯域幅が拡大するという見通しや,超低消費電力型Bluetoothが次世代ゲーム機に採用されることによって,電力効率が向上するという見込みなどが,市場を押し上げているとする。

 一方,ABI Research社は,Bluetooth普及の悲観要因として,Microsoft社が「Xbox 360」に同社独自技術を採用したことや,携帯型ゲーム機が無線LAN規格「IEEE 802.11」を採用する可能性が高いことを挙げた。