米Sony Electronics社の長尾和芳氏
米Sony Electronics社の長尾和芳氏
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 Blu-ray Disc(BD)グループの間では,ソニーの2007年クリスマス商戦での戦いぶりが話題になっている。2007年秋から,HD-DVDの猛烈な低価格攻勢(10月には東芝のHD-DVDプレーヤーが98ドル!)を受け,かなり影響を受けたBD陣営だが,ソニーの活躍によって,クリスマス商戦では大躍進した。

 それは,「S300」というそれまで399米ドルで販売していた普及型プレーヤーを,一挙に299米ドルに値下げした効果だ。クリスマス・イブまでの2週間だけ,大ディスカウント作戦を行った。米国では価格弾力性が高い。

 しかし,単に安いから売れたのではない。そこにはソフトウエアとハードウエアとの緊密な販売プロモーションがあった。Warner Home Video,Twentieth Century Fox Film Corporation,The Walt Disney CompanyなどのBD陣営のスタジオが,大作をリリース。Warner Home Videoは「ハリーポッター」,Twentieth Century Fox Film Corporationは「ダイハード4」,The Walt Disney Companyは「パイレーツ・オブ・カリビアン・ワールドエンド」というものだが,これらのスタジオと協力してキャンペーンを張った。only BD is available(このタイトルはHD-DVDでは観られない)というコピーを使った。

 ソニーのテレビ部門も協力。液晶テレビ「BRAVIA」と,PS3,BDプレーヤーとのバンドル販売も推進。その結果,前記の成果を上げた。ソニーの次世代DVDにおけるシェアは約50%という。「Warner Home Videoさんが,BDを選択したことで,BDの勢いは凄くついてきました。2008年はインタラクティブのBD-LIVE機能が,プレーヤーの目玉です。DVDで満足しているユーザーさんもいるので,彼らにBD-ROMは素晴らしいと気付かせるきっかけになると思います」と米Sony Electronics社Home Product DivisionのSenior Product Planning Managerの長尾和芳氏は,期待を語った。