画面を指でなぞってランチャーを表示させたところ
画面を指でなぞってランチャーを表示させたところ
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 東芝が「2008 International CES」で初公開した,重さ410gのUltra-Mobile PC(UMPC)には「eMotion Feel」という独自開発のユーザー・インタフェース(UI)が搭載されている。開発のコンセプトは,「人間のしぐさや,動作に合った使い勝手を実現すること。ボタンを極力なくす一方で,Windowsの使い勝手をどれだけ高められるかが課題だった」(東芝)という。

 一般にUMPCのような超小型パソコンでは,液晶画面のサイズは5~7インチ程度しかない。このため,アプリケーションの操作ボタンなどは非常に小さく表示され,ユーザーが使いにくいことも多い。eMotion Feelは,ペンなどを使わなくても画面を指でなぞることでランチャーやソフトウエア・キーボードなどを表示する。

 例えば,Windowsのデスクトップ画面上で指を左から右に走らせるとランチャーが現れ,逆に右から左に走らせるとそれが閉じる。ランチャーの内容は,起動しているアプリケーション・ソフトウエアに応じて変化する。また,下から上に指を走らせるとソフトウエア・キーボードが登場し,逆の動作で非表示となる。キーボードを引っ張りだしたり,しまったりという人間の動作に対応させているという。「小型キーボードの搭載を検討したが,ソフトウエア・キーボードでも入力速度が同等なことが分かったので,これを採用した」(同社)。

 eMotion Feelの開発は,パソコンだけでなく携帯電話機や携帯音楽プレーヤーなどを担当する技術者の共同作業だったという。このため,「UMPCを皮切りに,将来は携帯電話機や携帯音楽プレーヤーなどにもこのUIを採用していく」(同社)としている。

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