Lenovo社が開発した超小型パソコン。OSはLinuxを採用。
Lenovo社が開発した超小型パソコン。OSはLinuxを採用。
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 中国Lenovo Group社は,「2008 International CES」で重さが300gの超小型パソコンの試作機を公開した。米Intel社が2008年に投入予定の新プラットフォーム「Menlow」を採用している。2008年半ばに中国で発売する。価格は税込みで4999人民元(1人民元=約15円)という。2009年には日本を除く,その他の国にも展開する予定という。

 このパソコンは,OSとしてLinuxを採用。起動時間は20秒を目標としている。初期画面には,「Internet」「Entertainment」「Home」など利用目的に応じたメニューが分かりやすく表示される。「我々はあくまでもインターネット端末として,インターネット利用の使い勝手にこだわった」と,同社Product Planning Management Mgr, Consumer Notebook BUのGao Zheng氏は説明する。

 類似の超小型パソコンに,Windowsを搭載したUltra-Mobile PC(UMPC)と呼ばれるものがある。しかし,Zheng氏は「これはUMPCとは異なる」と否定する。UMPCとの違いを聞くと,「UMPCの多くは膝の上や机に置いて使うことを想定したものが多く,本当に手に持ったまま使おうとすると容易ではない。Windowsだと起動時間もかかる。我々は,どこでもインターネットに手軽にアクセスできて,ポケットにも入る端末を作りたかった」とする。

 Lenovo社が今,超小型パソコンという失敗の歴史を重ねてきた市場にあえて参入する理由は何か。世界でインターネットが普及し,モバイル・インターネットという利用形態が消費者に受け入れつつあること。さらに,日本がそうであるように,携帯電話機がインターネット端末として進化を遂げようとしている。パソコン・メーカーにとって,世界で年間10億台を超える携帯電話機市場は大きな魅力なのだ。「日本では既に多くの人が携帯電話機からインターネットにアクセスしている。しかし,世界的に見ればそれは例外。米国でも携帯電話機の利用は音声が主目的だ。だから日本以外の市場では,こうしたインターネットに特化した端末に市場機会がある」(Zheng氏)。

 Lenovo社の試作機の主要スペックは以下の通り。マイクロプロセサは45nmルールの「Silverthorne(開発コード名)」,4Gバイトもしくは8GバイトのSSD,4.8インチで800×480ドットの液晶ディスプレイ。無線LAN,Bluetooth,およびEDGEもしくはTDS-CDMAを搭載する。搭載する2次電池の連続駆動時間は,Webブラウジング時に4時間としている。

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