図1 専用の受信機にビデオ・カメラを「置く」だけで伝送が始まる
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図2 受信機を組み込んだソニーの「VAIO」も披露した。本体の上にビデオ・カメラを置けばデータの伝送が始まる
図2 受信機を組み込んだソニーの「VAIO」も披露した。本体の上にビデオ・カメラを置けばデータの伝送が始まる
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図3 ビデオ・カメラの底面,固定用ネジの部位などにアンテナを実装した
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 ソニーは2008年1月7日,新しい近接無線転送技術「TransferJet」を開発したと発表した。データ伝送速度が最大560Mビット/秒と非常に速いのが特徴で,2008年1月7~10日に米ラスベガスで開幕する家電の総合展示会「2008 International CES」で参考出展する。

 TransferJetは,通信距離が最大3cmと短いながら物理層で560Mビット/秒,誤り訂正などを含めた実効データ伝送速度で375Mビット/秒と超高速伝送を実現する。伝送媒体には電波ではなく,誘導電界を利用する。このために,新しいカプラ(結合器)を開発したという。カプラが利用する周波数帯域は,4.48GHz帯。日本国内における微弱無線の出力規制を満たす-70dBm/MHz以下の出力でデータを送信する。

 使い勝手は,非接触ICカードの「FeliCa」に近く,「通信したい機器同士を直接かざすだけで通信する」(ソニー)という。誘導電界の強さは電波と異なり,距離が離れると急激に減衰するため,周囲の機器への悪影響が少ない。無線LANのようにアクセス・ポイントなどを利用しないため,システムが単純で済むという。

  ソニーはこのTransferJetを,携帯電話機やデジタル・カメラ,ビデオ・カメラなどの端末に向けた写真や動画などの大容量データの伝送手段として推進する計画。「この技術の採用を広く業界に働きかける」(同社)という。

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