東芝は,ソニーや米IBM Corp.と共同開発したマイクロプロセサ「Cell Broadband Engine(以下Cell)」を搭載するテレビの発売時期について,2008年秋~2009年になるとの見通しを明らかにした。

 同社はInternational CES 2008で,Cellを使用したテレビのコンセプト・モデルを展示する。同展示では,Cellの処理能力を使ってSDTV映像をHDTV映像にアップコンバートしたり,48本の動画を一度に復号化して映し出すデモを見せる。

 実際にCellをテレビに搭載する際には,アップコンバートや復号化に限らず,「アイデアは明かせないが,異なる用途でも大いに活用する」(Toshiba Amarica Consumer Products, L.L.C., TV Division, Seinior Vice Presidentの恩田貴弘氏)という。テレビに内蔵するCellの仕様として,8つのSPE(Synergistic Processor Element)を搭載するものと,コア数を減らしたものの2通りを検討している。

 このほか東芝は,同社ブースで複数の新技術を出展する計画である。今回初発表となる展示は以下の通り。

1. ノート・パソコン向けメディア・プロセサ「SpursEngine」を用いて,映像のトランスコード処理を高速化するデモ

2. UMPC(Ultra Moble PC)のコンセプト・モデルの展示。本体を傾けたりタッチ・パネルを使うなどして感覚的に操作できるユーザー・インタフェース「eMotion Feel」を披露

3. HDMIを無線化する技術「Wireless HD」を用いて,HDTV映像を無線伝送したり,無線経由で機器を遠隔操作するデモ