四つのデジタルトレンドが示された。
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今年のヒット商品は?
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 CES開幕前の恒例行事は主催者のCEA(全米家電協会)がジャーナリストを対象に行う,メディアブリーフィング「State of the Industry」だ。米国の家電業界の今と,これからのトレンドを分かりやすく解説し,明後日から始まるCESでのポイントを教えてくれる,CES取材者にとって,とても役立つ行事である。

 私の記憶では,これで四回目だ。CEAの調査によるさまざまな統計,チャートが示され,今,アメリカの消費者はどんなデジタル製品を購入したがっているかのデータが得られる。これまでは例年,チャート中心の解説だったが,今回は,初めてCEAのエコノミストが,文章で示されたのが,興味深い。デジタル製品とそれを選好するアメリカのユーザーのトレンドは,四つという。

(1)GOES TO ELEVEN現象。「11」とは,ギターアンプのボリューム最大のこと。それほどの勢いで,デジタル製品は,さらに速く,さらに小さく,さらに大容量に,さらに安くなっていく。例えば,低価格の液晶テレビ・メーカーであるVizioの驚異的な成長が,このトレンドの代表だ。
(2)360度ソリューション。デバイス,コンテンツ,サービスの三つがちょうどドライアングルのようになり,互いに密接な関係を持つ。
(3)ディストリビューションの発展。ユーザーにコンテンツを届ける道が多様化する。
(4)モビリティの新定義,いつでもどこでもコンテンツを楽しむための手段は,これから爆発的に増えていく。

 これらは内容的には常識的なことだが,「GOES TO ELEVEN現象」「360度ソリューション」という言葉の使い方が素晴らしい。トレンドは言霊が実現させるというよい見本だ。さあ,今日(6日)は記者会見Day。朝から晩まで記者会見のオンパレード。どんな新情報が得られるか凄く楽しみ。