「開発はほぼ完了、ゴーサイン出れば数カ月で発売」

 あとは、違法コピーに対する放送業界の懸念を払拭できるような仕様の製品を、メーカー各社が作れるかどうかである。今回日経パソコンの取材に応じた複数のメーカーは「開発はほぼ完了しており、コンテンツ保護を含めARIBの標準規格を問題なくクリアできる自信がある。放送業界からのゴーサインさえ出れば、数カ月で発売できる」と異口同音に語る。未開拓の大市場に期待を込める思いは各社とも共通だ。

 パソコン周辺機器メーカー大手のバッファローは、PCIカード型とExpressCard/34型の2種類のチューナーを開発している(図3~6)。最大の特徴は、古いパソコンでも問題なく地デジを視聴できるよう、ハードウエアでビットレートの変換処理を行うことだ。

図3 バッファローが開発中の地デジチューナーボードを、デスクトップパソコンに実装したところ。PCIスロットに挿さっているのが地デジチューナーである
図3 バッファローが開発中の地デジチューナーボードを、デスクトップパソコンに実装したところ。PCIスロットに挿さっているのが地デジチューナーである (画像のクリックで拡大)
図4 PCIボード型の地デジチューナーの試作機
図4 PCIボード型の地デジチューナーの試作機 (画像のクリックで拡大)
図5 試作機からの映像を、実際にテレビで映したもの。Windows Vistaの画面上に地デジ映像とデータ放送の画面が表示されている
図5 試作機からの映像を、実際にテレビで映したもの。Windows Vistaの画面上に地デジ映像とデータ放送の画面が表示されている (画像のクリックで拡大)
図6 ノートパソコン向けのチューナーモジュールの試作機を使い、ノートパソコンに地デジ映像を映したもの
図6 ノートパソコン向けのチューナーモジュールの試作機を使い、ノートパソコンに地デジ映像を映したもの (画像のクリックで拡大)