米iSuppli Corp.は半導体市場の予測を発表した(発表資料)。それによると,2008年の半導体の世界売上高は対前年比7.5%増の2914億米ドルに達する見通し。同社は2007年9月に,2008年の半導体売上高の前年比成長率を9.3%と予測していたが,今回成長率を1.8ポイント下方修正した。原油価格の高騰やサブプライム・ローン問題による米国景気の不透明な見通しが投資の縮小や顧客の発注の減少を招いているという。ただし,2008年後半の市場は回復すると見込む。

半導体の世界売上高の予測
半導体の世界売上高の予測 (画像のクリックで拡大)

 半導体市場の中でも,チップの世界売上高は2008年上半期に対直前期比4.5%減の1359億米ドルとなる見込み。特に,メモリ市況は2008年初めのDRAMとNANDフラッシュ・メモリの供給過剰によって悪化するとみる。2008年第2四半期にDRAM価格は回復する見込みだが,NANDフラッシュ・メモリ市場が回復するのは第3四半期とする。iSuppli社は2008年のメモリの売上高が半導体市場の21.6%を占めると予測しており,メモリ市場の動向がチップ市場全体に及ぼす影響は大きいと説明する。2008年下半期のメモリ市場の回復によって,半導体市場は回復する見込みだが,2008年の景気が悪化すれば2008年下半期の回復も実現しないかもしれないという。

2008年の電子機器の世界売上高は前年比6.6%の成長

 半導体売上高の予測の下方修正に伴い,iSuppli社は電子機器の売上高予測も下方修正した。2008年の電子機器の世界売上高は,対前年比6.6%増の1兆6000億米ドルとなる見通し。前年比成長率は,2007年9月にiSuppli社が予測した7%から0.4ポイント減少した。ノート・パソコンと第3世代携帯電話機の市場は,2007年に大きく成長したが,2008年に同水準の成長は見込めないという。加えて,デジタル・テレビも,2007年は価格が大きく下落したことによって出荷台数が伸び,売上高が大幅に増加したが,2008年は価格がそれほど大きく下落しないと見られることから,2007年と同程度の成長は難しいとみる。

電子機器の世界売上高の予測
電子機器の世界売上高の予測 (画像のクリックで拡大)

この記事を中国語で読む