旭硝子と三菱電機は,中・小型液晶パネルの製造・販売などを手掛ける合弁会社オプトレックスの全株式を売却すると発表した。売却先は日本産業パートナーズが運営する投資ファンドである。

 オプトレックスは1976年に設立,中・小型液晶パネルや電子・光学表示装置を製造・販売してきた。出資比率は現在,旭硝子が60%,三菱電機が40%である。中・小型パネルは,車載向けは堅調に推移しているものの,携帯電話機向けで競争が激化。価格下落の影響でオプトレックスの2006年12月期決算は営業赤字に陥り,2007年12月期も黒字化はできない見通しという。

 旭硝子はオプトレックスの株式を売却することで,中・小型液晶パネル事業から撤退する。三菱電機は中・小型液晶パネル事業を担うメルコ・ディスプレイ・テクノロジーを擁しており,同子会社で今後も中・小型液晶パネル事業を継続する。

 株式の譲渡期日は2008年2月を予定している。譲渡価額は旭硝子の分が600万円,三菱電機の分は400万円。株式売却損を特別損失として旭硝子は連結で約38億円,三菱電機は約30億円,計上する見通しだ。

 オプトレックスは売却後も事業を継続する。不振の携帯電話機向け事業を縮小し,車載向けや産業機器向けに集中することで収益の改善を図る。2008年12月期には黒字化できる見通しとしている。

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