東芝は今後,液晶テレビ用パネルのほとんどを,外部調達に切り替えていく可能性が高い。同社の映像機器事業を統括する執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社 社長の藤井美英氏は,2007年12月12日に東京都内で開催された記者懇親会で,「液晶テレビ用パネルの生産工場を,自社で保有しなくても,テレビ事業に影響を与えない」とコメントした。

 藤井氏は,自身の経験を混じえて「以前に私が担当していた半導体の分野もそうだった。使う人がいれば,作る人がいる。外部調達だと,モノが手に入らなくなることを心配する人もいるが,すべてを外部調達に頼っても,95%は問題ないと考えている。パネルが手に入らずに,テレビ事業が立ち行かなくなることは,まずないだろう」と語った。

 2007年12月21日付けの日本経済新聞朝刊では,東芝がシャープからテレビ用液晶パネルを大量調達し,自社が出資するパネル生産会社「IPSアルファテクノロジ」の株式は売却する方向であると報じている。東芝は「検討しているのは事実。決まり次第,発表する」(同社広報)としており,藤井氏のコメントは,この検討を踏まえてのものだったとみられる。

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