米Gartner, Inc.が発表した速報値によれば,2007年における世界の半導体売上高は対前年比2.9%増の2702億8700万米ドルだったという(発表資料)。売上高上位10社のうち,東芝と韓国Hynix Semiconductor Inc.は前年から20%超の伸びを記録したが,米Texas Instruments Inc.や独Infineon Technologies AG,オランダNXP Semiconductors社は前年から減少し,明暗が分かれた。

 「半導体産業は,広範囲にわたって消費者の支出のパターンと強く連動するようになっているため,半導体メーカーはエンド・ユーザーの動向にいっそう注意する必要がある。例えば,携帯電話機向け市場では,顧客である携帯電話機メーカーが市場でシェアを縮小したことが,半導体メーカーに大きな影響を及ぼした」とGartner社は説明する。

 メーカー別の売上高を見ると,上位10社の中で最も大きく伸びたのは3位の東芝。対前年比27.8%増の125億400万米ドルを売り上げた。売上高の順位は前年の6位から上昇した。シェアは同0.9ポイント増の4.6%。NANDフラッシュ・メモリに加え,携帯電話機向けCMOSセンサや,液晶テレビ,次世代DVD装置,ゲーム機といったデジタル家電向けのASICおよびASSPの出荷が伸びたことが貢献した。同社は,NANDフラッシュ・メモリの価格がもっと下落すると見ていたものの,携帯型音楽プレーヤーやSSDなどの需要が拡大し,需給バランスが予想よりも好調に推移したという。

半導体の世界市場のメーカー別売上高とシェア
半導体の世界市場のメーカー別売上高とシェア (画像のクリックで拡大)

 首位は前年と変わらず米Intel Corp.。売上高は対前年比8.2%増の329億1800万米ドルで,シェアは同0.6ポイント増の12.2%だった。ノート・パソコン向けLSIの出荷が好調だった。また,デスクトップ・パソコンやサーバー機の上位機種向けの品揃えを強化したことによって,米Advanced Micro Devices Inc.に奪われていたシェアを奪い返したという。

 2位は韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.で,売上高は対前年比3.5%増の208億5000万米ドル。シェアは前年と同水準の7.7%だった。2007年は,供給過剰によって世界的にDRAM価格が大きく下落したが,同社の売上高の前年比成長率は市場全体の平均2.9%をわずかに上回った。NANDフラッシュ・メモリが堅調に推移したことに加え,アプリケーション・プロセサやCMOSセンサ,スマート・カード向けIC,液晶ドライバICといったメモリ以外の製品の売り上げが伸びたことが影響したとする。

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