「私は有機ELよりSEDの画質の方が好きだ」――。東芝の映像機器事業を統括する同社 執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社 社長の藤井美英氏は,2007年12月12日に東京都内で開催された記者懇親会で,あくまで個人的な嗜好と前置きし,こうした見解を述べた。東芝は現在,次世代の薄型テレビとして有機ELテレビ,SEDテレビ両方の製品化を目指している。

 有機ELの画質について藤井氏はこう言う。「確かにコントラスト比が高くてきれいだ。しかし,あまりにもきれいすぎて『非現実感』がある。テレビとして見ると,リアリティが感じられない映像になってしまう」。

 一方,藤井氏が好む画質と評価するSEDについては,現在,パネルの量産スケジュールが白紙になっており,テレビとしての実用化のメドは付いていない。藤井氏は「(パネルを生産する)キヤノンには,あきらめずに何とか量産してほしいとお願いしていますよ」と,テレビ開発の立場から述べた。パネルの開発の現状については「生産プロセスを大幅に変えて,さらなるコストダウンを図っているようだ」(藤井氏)とコメントした。

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