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グラファイトではなくチタン酸リチウムを負極に採用,東芝が新型Liイオン2次電池を量産へ

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2007/12/11 20:45
狩集 浩志=日経エレクトロニクス
図1 東芝が開発したセル
図1 東芝が開発したセル
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 東芝は,高い安全性を確保しつつ,急速な充放電を繰り返しても10年を超える長寿命を備えるLiイオン2次電池「SCiB(Super Charge ion Battery)」を開発した(図1)。2008年3月から量産を開始し,10セルを直列に接続した標準モジュール「TBP」シリーズとしてまずは販売する(図2,関連記事)。非常用電源や風力発電の平準化電源,無人搬送車,フォークリフトなどの産業用途をはじめ,電動アシスト付き自転車や電動バイク,ハイブリッド車などへの適用を目指す。

 開発したLiイオン2次電池の特徴は,負極材にチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)を採用し,引火点の高い電解液や耐熱性の高いセパレータと組み合わせたこと。これにより,内部短絡が起こっても熱暴走を起こしにくく、破裂や発火の可能性は極めて低いという。正極材は携帯機器向けのLiイオン2次電池と同様にコバルト酸リチウム(LiCoO2)をベースにしているとする。発表会ではセルの外部短絡試験の様子をビデオ上映した。外部短絡させてもセルの温度は100℃以上に上昇せず,破裂や発火に至っていない。

動画 新型Liイオン2次電池押しつぶし実験(約1分55秒の動画)
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 開発したセルの充放電サイクル特性は,急速な充放電条件下(25℃,10C(42A)充電,15A放電)において約3000回の充放電を繰り返しても容量はわずか10%未満しか低下しないという(図3)。同社では約5000回を超える繰り返し充放電が可能としており,1日1回の充電で10年以上繰り返して利用できるとする。

 さらに50Aという大電流での急速充電も可能であり,セルと標準モジュールともに5分間で電池容量の90%以上を充電できるという。このほか,−30℃でも80%以上の放電容量を確保しており,寒冷地での使用が可能という(図4)。

電圧は低いが80%のDODで利用可能

 セルは,電流容量が4.2Ah,公称電圧が2.4V。外形寸法が約62×95×13mmで,重さは約150gとなる。そのため,エネルギー密度は67.2Wh/kg(131.6Wh/L)程度とみられる。一方,10セルを直列接続した標準モジュールは,電圧と温度の監視をはじめ,セルバランス調節などの機能を備えた「バッテリーマネージメントシステム」を搭載する。電流容量は4.2Ahで,公称電圧は24V。外形寸法は約100×300×45mmで,重さが約2000gとなる。そのため,標準モジュールでのエネルギー密度は50.4Wh/kg(74.7Wh/L)程度である。

 同社によれば公称電圧が2.4Vと低いため,ハイブリッド車など高い電圧を必要とする機器に利用する場合は,通常のLiイオン2次電池に比べてセル数が1.5倍程度増えるという。ただし,放電深度(DOD)を80%程度に広げて利用しても劣化が少ないことから,ハイブリッド車向けに他社が開発している従来タイプのLiイオン2次電池と遜色のないシステムの大きさに抑えることができるとしている。

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図2 2008年3月に販売開始予定の標準モジュール
図2 2008年3月に販売開始予定の標準モジュール
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図3 充放電サイクル特性
図3 充放電サイクル特性
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図4 低温特性
図4 低温特性
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