【IDW】VA液晶の高コントラスト化・高速応答化につながる液晶配向技術,東北大・ソニーが共同発表
VA液晶パネルの高コントラスト化・高速応答化につながる液晶配向の新技術を東北大学とソニーのグループが開発,12月5日〜7日開催の「IDW(International Display Workshops)」で発表した。この技術を使うと,コントラスト低下の原因となる突起状の構造物や画素電極のスリットを形成することなく,ほぼ垂直に配向した液晶分子を電圧印加時に特定の方向へ倒せるようになる。
VA液晶では通常,液晶セルへの電圧印加オフ時に液晶分子が垂直に立っており,電圧をかけると液晶分子が横に倒れる。このとき,液晶分子が特定の方向に倒れるようにするために,基板上に突起状の構造物を形成したり,画素電極にスリットを入れたりする。ただ,この突起構造物やスリットの周囲の液晶配向が乱れ,バックライト光の漏れが生じ,コントラストを低下させる原因になっていた。今回の配向技術を使えば,突起状の構造物や画素電極のスリットを形成する必要がなくなり,液晶配向の乱れによる光漏れを大幅に低減できる。
また,今回の配向技術はVA液晶パネルの高速応答化にも有効である。通常のVA液晶では,電圧を印加したときに突起構造物やスリットの近傍の液晶分子がある方向に倒れ,そこからドミノ倒しのように順々に,垂直配向していた液晶分子が横に倒れていく。このため,すべての液晶分子が倒れるまでに時間がかかっていた。今回の配向技術を使うと,ほぼすべての液晶分子が垂直から特定の方向に1度だけ傾いた状態(プレチルト角89度)で配向しているため,電圧をかけると一斉に液晶分子が横に倒れる。
今回の液晶配向技術の概要は以下の通り。まず,ITO電極を形成したガラス基板上に液晶モノマーを塗布する。次に,熱状態を制御して,液晶モノマーを垂直配向させる。そして,磁場の中で紫外線を照射する。この結果,液晶モノマー膜がポリマー化し,さらに液晶分子が垂直から特定の方向へわずかに傾いた状態になる。これが,セル内に注入した液晶分子(ネガ型)の配向方向やプレチルト角を決めることになる。












