左が「鏡音リン」,右が「鏡音レン」
左が「鏡音リン」,右が「鏡音レン」
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 クリプトン・フューチャー・メディアは,音楽制作ソフト「初音ミク」に続くバーチャル・ボーカル・シリーズ第2弾として「鏡音リン・レン」を発表した(同社関連サイト同社関連ブログ)。女の子の「鏡音リン」と男の子の「鏡音レン」のバーチャル・アイドル・シンガーで,いずれも14歳という設定。2007年12月下旬の発売を予定する。今まで鏡音リンについて発表していたものの,鏡音レンを明らかにしたのは今回が初めて。初音ミクと同じく,ヤマハの音声合成技術「VOCALOID 2」を採用し,ユーザーが作成した楽曲に合わせて人間に近い声で歌わせることができるという。初音ミクは2007年8月31日に発売されて以来,音楽制作ソフトとして異例の人気を誇り,売れ行きも好調。投稿サイト「ニコニコ動画」などでユーザーによる作品の投稿が相次いでいる。鏡音リン・レンの発表とともに,同社は初音ミクや鏡音リン・レンで作成したコンテンツを投稿できるサイト「ピアプロ」も開設した。

 鏡音リン・レンについて公開されたプロフィールは以下のとおり。鏡音リンの得意なジャンルは「エレクトロ&ロック系ポップス/歌謡曲~演歌系ポップス」で,得意なテンポはBPMで85~175,得意な音域はF#3~C#5。レンはそれぞれ「ダンス&ロック系ポップス/歌謡曲~演歌系ポップス」,70~160,D3~C#5である。得意なテンポや音域などはあくまで目安で,常に広い範囲で歌えるという。声を担当するのは声優の下田麻美氏。リンとレンの一人二役を演じる。

 このほか,リンとレンの血縁関係といった設定は不明。詳細設定に関しては,「ブログなどを通じて順次公開していく予定」(クリプトン・フューチャー・メディア)である。予想店頭価格は税込みで15750円前後とする。具体的な発売日は未定。

投稿サイトも開設

 鏡音リン・レンとともに,クリプトン・フューチャー・メディアはコンテンツ投稿サイト「ピアプロ」のβ版を開始した(ピアプロのサイト)。クリエーター同士が,オリジナル曲やイラストなど,それぞれ得意とするコンテンツを投稿し合い,協業していく「創造の場」を設けることが目的。まずはβ版から開始し,ブログを通じて参加者の意見を反映させながら,機能を拡大する考えだ。この結果,インターネットなどを通じて消費者が作り上げていくCGM(Consumer Generated Media)の文化育成を支えていきたいという。公開から2時間30分が経過した段階で,700人以上のユーザーが登録したという(同社関連ブログ)。同サイトでは早くも数多くの作品が投稿されている。

 既にユーザーは初音ミクの音楽やイラスト,動画といったコンテンツを数多く作り,数多く投稿サイトで公開している。しかし,「ルールがあいまい」(クリプトン・フューチャー・メディア 代表取締役の伊藤博之氏)な部分があった。例えば,「2次創作について明確にアナウンスしていなかった」(同氏)。そこで今回,クリプトン・フィーチャー・メディア側で2次創作のガイドラインを用意した。そのガイドラインを守ってもらいつつ,ユーザーが作成した自分のコンテンツをほかのユーザーに,「見てもらう,使ってもらう,認めてもらうという3段階の願望を投稿ユーザーに満たしてもらいたい」(同氏)という。こうした活動を通して新しい才能に注目が集まり,「新たなコラボレーションが進むようになればいい」(同氏)と期待を寄せる。